第四話『魔界!! サタンクロス』

 12月24日深夜クリスマスイブ2353

 サンタクロースたちのも終わった頃。


 針葉樹モミの森の遥か上。

 吹雪ふぶく、フィンランド領空。

 クリスマスの夜空に、悪魔の十字架サタンクロスが現れた!



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🦌🎅🛷⚪️💨


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 その少し下の空に浮かぶ、反重力雪車アンタイグラヴィティ・ソリの二機。


「やだァ! 見て見てッ! 何ヨォ!? あれッ!」

 ミニスカー・サンタが、空の巨大な十字の裂け目を指差してそう言った。

 口を動かす度、付けひげ──という名の呼吸用マスク──が、モフモフ揺れる。


「むッ……何だッ!? それに、あのモンスターはッ!? 俺の脳内アタマの百科事典にも、あんな禍々まがまがしいものの情報は載っていないッ!」

 サンタク・サンタは、未知との遭遇に、驚愕きょうがくする。

 と同時に、手に持っていた趣味のクイズ本──煉獄級れんごくきゅう──を、紅白の宇宙服サンタコスモ・スーツふところにしまう。



 モンスターと呼ばれるは、ゆっくりと降下する。



「フフフ……我はモンスターではないッ! 大魔神サタンだッ!」

 そう叫んだのは……


 黒衣こくいまとう、悪魔のような真っ赤な顔をした化け物──サタン──。

 スタイリッシュな漆黒しっこくのマントを、凍えそうな雪風ゆきかぜにたなびかせている。


 サタンの背後にある真っ黒な裂け目からは、翼の生えた小悪魔たちが、ハエのように、わらわらと湧き出てくる。


「それに何だァ? あの、ちょこまかとうざったい奴らはッ! 気をつけろ、ミニスカー・サンタッ! アイツらこっちへ来るぞッ!」

  サンタク・サンタは、宇宙鹿トナカイに繋がる綱を引いて、構える。


「行けェ! 赤い悪魔レッド・アクーマーたちよ! 人の子の生き血を集めるのだ! ああ、乾く……乾くぞ……血だ! 若い血を寄越よこせェ!」

 サタンの大号令で、

「「「大魔神サマノオオセノママニーッ!!!」」」

 赤い悪魔レッド・アクーマーが、たかるように突っ込んでくる!


「趣味が悪いわァン。血をすすりたい? しかも、子供のォ? とんだ変態野郎ネェ……。一丁、いきますわァン!」

 ミニスカー・サンタは赤い三角帽子サンタ・ハットを、クイッとほんの少し上げ……

 稲妻いなづまの形をした額の細疵ふるきずを、チラリのぞかせた。

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