悪役令嬢 of the Dead

玉部×字

第一話

 マレウィク大公国

 四つの州に分かれ、そのいずれの州も大半を豊穣な平原が締める大陸有数の強国であり、最古と言っていい長い歴史を持つ国家である。

 その中でももっとも西にある、古い公国の中でももっとも古い領地。

 アーテル・レギア――公国を変える実験はこの公国の僻地から始まった。


 朝、西に鎮座する山々から領地に吹き下ろす風。

 雪の残る山頂付近からの冷たい風はまだ春は遠いと告げる。

 強い風にも動じず立ち、朝日を浴びてなお黒い館――土地の名の由来となった古の公邸だった館。大きな壁を乗り越え朝日が二階に飛び込んだ。

 赤と黒とそして金の刺繍ししゅうの入った豪奢ごうしゃな天蓋のあるベッド。天蓋からおりたどん帳のように厚い生地の隙間を抜けて光がベッドの上を照らした。

 そこはまるで一枚の絵画のよう。

 金と銀、ブロンドとプラチナブロンドの長い髪を絡み合わせていた。跳ね返した光で輝きに満ちる中、プラチナブロンドの女の目蓋が持ちあがった。


「――ん」


 薄い藍色の瞳。まだ寝ぼけたように気だるげなとろんとした目。生気のないようにゆらりとゆれるように身体を起こすと、男の手がするりと腰から滑り落ちた。

 一糸まとわぬ肌は朝の日の輝きよりも白く、冷たい外の空気よりも透き通るよう。

人形のような寒気すら感じる双眸は、身じろぎする男を見下ろす。

 その容貌と所作と生まれもった役割から”氷の聖女”とも呼ばれた女。

 この地を治める公国史上初の女貴族、そして伯爵位を持つこの地の領主。

 イライザ・グラティアリスの朝が始まった。


「おはよう――良く寝ていましたね。疲れていたのですか?」


 まだ寝ぼけている。そう思わせたのは隣に寝ていた私の貴公子の髪の輝きのせい。

朝日に照らされた虹の輝きに、未だ夢心地にも思えよう。


「どうかしら――少し夢見が悪かったのかもしれないわ」

「また”あの頃”のですか?」

「ええ――いや、どうかしら。まだ起き抜けですもの」

「なら良いのですが。今日はいつもより――」

「いつもより?」

「眉間に皺が――ああ、怒らないで」

「もう貴公子フェレンツったら。失礼よレディに向かって皺だなんて」

「ふふ、やっと笑いましたね。さあ、まずは湯あみをしましょう――アンナ!」


 貴公子が手を叩いて従僕の名を呼んだ。

 扉の向こうから名を呼ばれた従僕――アンナがしずしずと現れる。どこか不器用な足の運び、二足で歩くリスのような今にもこけそうな女だ。


「失礼します」

「湯あみの準備を」

「かしこまりました。」


 そう言って扉の向こうに消えるなり、どすんと床が揺れる。案の定エプロンドレスの裾でも踏みつけこけたのだろう。

 月に一度は湯を運んでるときにこける始末だ。


「湯加減はいかがでしょうか?」

「ええ、よくってよ」


 古い時代のこの建物には湯あみ用の部屋はなく、また作ることも出来ていない。先に壁に着手したかったし、貧乏領地にはそこまで余裕もない。

 単なる木のたらいに布を敷いて湯を掛けるだけの簡単な湯あみしか出来ない。それでもやはり朝、湯を浴びたいのだ。こんな寒く、いまいち目が醒めない日は特に。

 とはいえ、湯を掛ける従僕には不安が残る。生傷の絶えない手には包帯が巻かれ、今日も手にした湯を入れた瓶をいつ落とすかひやひやで――


「あっ――」

「っと、気をつけなさい」


 もはや慣れたもの。すんでの所で抑えることができた。

 以降は安心して湯を浴び、身体を拭いて深紅のハウスコートに着替えた。向かう先は一階の食堂。

 ここはもっとも金を掛けて改装した場所。この地の有力者を招くこもあるし、中央から来客もある。大きな一枚板の繊細な彫刻を施されたテーブル。クロスも白い物ではなく南方より取り寄せた柄の入った織物。ともに都のどんな邸宅にも負けない。


「おはよう。お嬢様。本日は一段とお綺麗で――んーあれ? ご機嫌斜めかな?」

「ええ、少し嫌な夢を――」


 無遠慮に私の目を覗き込んでくる茶色い瞳。息の掛かりそうな距離にまで近づくが嫌な気分はしない。落ち着いた声のせいか、余裕のある喋りのせいか――

 それは彼の持つ雰囲気だけでなく、その腕によるところが大きい。

 タマシュ――私の料理人はこの食堂の中でも、もっとも価値ある存在だからだ。


「なるほど――ふむ、お任せを。その陰鬱を吹き飛ばして見せましょう」

「相変わらず気障だねぇ。しっかし夢って姫さんそんなん気にするタマかぁ?」

「あら、見た通りのか弱い乙女でしょうに」


 食堂の奥に引っ込む料理人と入れ替わりで現れたのは私の騎士――ラスロ。

 私の後ろ頭の上からかぶさるように遠慮を知らぬ挑戦的な目で見下ろす。馬の尻尾のように垂れた黒髪からは草木の混じった――汗臭く泥臭い。

 振り向きざまに拳を腹に当てる。ごく軽く。しかし、しっかりと魔力を込めて。

 腐っても元聖女の魔力、幾ら大男の鍛え抜かれた腹筋とはいえども――


「うぎゃ」

「ははっ、なんだい潰れた蛙のような声。いや蛙が潰れた時の声だっけ?」

「んだよ、ジェルジ。受けてみろって姫さんのパンチ。お前じゃ壁まで吹っ飛ぶぜ」

「失礼ね。こんな柔肌の細腕だというのに」

「いや昨日なんて食ったもん全部吐き出させたろうが」

「昨日?」

「昨日の訓練の時だよ。覚えてねぇのひでぇだろ」

「いつも不甲斐ないからだろうが。おはようございますイライザ様」

「おはよう、楽師」

「ジェルジもいつまでぶつぶつ言っている」

「潰れてから声は出せないよね?」

「どうでもいい。挨拶をしろ」

「ああ、イライザおはよう。フェレンツが心配してたけど、元気そうじゃん」

「――おはよう」


 挨拶後も結局何か考え事をしている背の低い学者。

 その背後から射貫くような目線で言葉少なな男は絵師。

 その二人のさまに苛立ち、朝から登城出来るほどに決めた格好をした楽師。


「やあ揃って――ああ、イライザも元気が出たようだね。食事にしようか」


 コートを羽織れば正装という出で立ちフェレンツが最後に入って来た。

 彼ら六人、私の貴公子プリンスたちが集まってのいつもの食事が始まる。


「本日のスープにございます」

「おー来た来た。今日は何よアンナ」

「丸一日かけたとだけ――」

「あーそれで昨日タマシュの顔見なかったんだ」

「じゃあ美味しいのでしょうね」

「そりゃいつもだろ。てかよ。その割には何も入ってねぇな?」


 いつもの始まり、貴公子プリンスたちに囲まれた朝のいつもの光景。いつものように配膳、いつものように騎士が少し文句を付ける。そうすることで自分への量を増やさせる。従僕も苦笑しながら多めに盛る。互いに分かって行うコミュニケーションの一環。

 だけど――


「何も――ないっ?!」

「あ、あ、いえそれ、それは――えと、ああと」

「落ち着きなさいアンナ。誰もお前を責めてはいない。でしょうイライザ?」

「え、ええ。そうです。料理人タマシュの料理に驚かされるのはいつものことです。ただ一体どういう味を付けたのかと。少し気になっただけ」

「だよねぇ。気になる。単なる液体ってわけじゃないでしょ? 色もあんまりね泥のようだし、はっきり見た目悪いよね。いつもは色とりどりできらびやかなのにさ。何か理由があってこうしてるんだろう? 興味あるよね。聞いてないのアンナ?」


 寝ぐせの酷いとぼけた童顔の学者だけどもこういうフォローは流石に年が一番上なだけはある。従僕も仕事を与えられれば本来の業務用の顔に戻らざるを得ない。


「えーと、具材は一日かけて溶かしてあります。野菜の甘味とブイヨンは――」

「――鶏ね」

「はい! 確かに鶏肉とおっしゃられておりました」

「流石イライザ様。見ただけでお分かりになるとはっ」

「本当に。でも私もそれくらい出来ないと貴公子とは言えないかな? ふふ」

「ええ、そう――いえ、どうかしら」


 どうして分かった?

 料理人の料理のことを食べずに分かるなど有り得たことはない。

 だが何故かこれは鶏であると分かった。

 いや知っていた? そうだ私は何故かこれを――


「どうしたのです、イライザ? 頭を抑えて。痛いのかい?」

「イライザ様。医者を手配いたしましょうっ!」

「ありがとう二人とも。でもそこまででは――大丈夫よ。まだ頭が起きてないだけ。食べれば元気も出るでしょう。ええ、そうきっとそう。頂きましょう」

「そうか? こんなスープじゃなぁ。やっぱこうごろごろと肉がねぇと」

「――ラスロ」

「けどよぉ」

「辞めなよ今年はずっと寒くて不作だったんだから。肉が無くても仕方ないじゃん。領民だって屠畜しなきゃ飢えちゃうって」

「けっ、領民なんぞ。ぎりぎり生かしておくくらいで十分だろ。どうせ余裕があっても自分のことだけ、いざって時にも頼りにならねぇ、その癖手前ぇの命のためなら何だって犠牲にしやがる――だろぉお姫さん」

「そうね。確かに市井しせいの民草は利己的で臆病で残酷。でもだからこそ導き手が必要。騎士ラスロ、あなたもいい加減。人々を導く立場であることを自覚して欲しいわ。ここで供に生活をしているのだから」


 ああ、これも言った――この言葉もそっくり口にした記憶がある。


「ったく分かったよ。すんません。じゃ民草を思ってこの具なしスープを――」

「行き成りがっつくな。何故お前がいのいちに喰らおうとする。いつもいつも!」

「そうですよラスロ。まずは手を合わせて今日も食事を取れることを祈りましょう」

敬虔けいけんなこって。この飯は神が用意したのか? 姫さんのお陰で食えて、タマシュのお陰で旨い。どこに神のお陰要素があるんだよ?」

「は? ――ラスロ。今のは主に対する冒涜ぼうとくということで良いのですか?」

「ほらほら、フェレンツ怒らない怒らない」

「しかし、ジェルジ。君が、君こそが――怒るべきだろう」

「いいんだ。祈りは強制できないし、しても意味がないでしょ。信仰とは心のあり様のことだよ。形じゃない」

「いいこと言うじゃねぇか。流石はジェルジ。じゃあ俺は食事を恵んでくださる領主様にお祈りを捧げるとするか」

「ええ、私に?」

「ほう、ラスロにしてはいい心掛けだ。折角だ。私が一曲付けようか」


 珍しく冗談を言う楽師。そして珍しく騎士と同じ意見。

 二人は合わない。厳しい楽師に軽い騎士とノリも反りも合わない。水と油のような二人。この暮らしを初めてから一度だって意見を同じくしたことなど――

 いや一度ある。だけどその一度は――


「やれやれ、騒がしいな。この料理でもお前らは黙って食ってはくれないか」

「――いや旨い」

「ほう、イストバンは褒めてくれるのか。どうかなお嬢様?」

「ええ、美味よ。スープでは一番だったわ」

「やめろよ姫さん。褒めるなよ。毎度これじゃ食った気しねぇぜ」

「ははは、そんなに毎日作れる物じゃない安心しろ。でもそうかお口に合ったようでなによりだ。メインはもっと喜んでくれると思うよ。さあアンナ運んでくれ」


 並べられた卵を使ったものだった。

 茹でた卵から黄身をくりぬきそこに具を混ぜ入れたもの。やはりこれも彩り少なくはっきり言えば地味。代わりに焦げたチーズの香ばしさがふわりと漂った。


「デビルドエッグという料理だ。アンチョビが手に入ったから北方風にしてみたよ」


 今日の料理はいずれも視覚には頼らず、いや食材の都合頼れなかった。だから手間や香りで補った――


「だから手間や香りで補ってみたわけどどうかな?」


 やはり料理人の口から出たのは脳裏に過ぎった言葉そのまま。

 どれもこれもが何故か記憶にある。

 香辛料の聞いた刺激的でいて香ばしくあり、アンチョビの塩と黄身で濃厚なコクのある味。初めて食べるのに、何故か聞き覚えのある名前の、馴染みすらある味。


「あまり食が進んでいないようだけど。口に合わなかった?」

「いえ、美味しいわ。ただ――」

「ただ――」

「ねぇ学者。未来のことを夢で知るって聞いたことはある?」

「予知夢って奴? 預言という形なら聞いたことあるけどね。主の啓示を受けたって教会に来る奴は割り合いいるよ? どしたの突然?」

「有り得るかしら?」

「さあ、どうかな。あるとしたら主の力かな。僕には分からないよ。むしろ君の方がそこらへんは良く分かってるんじゃないの?」

「そうね。確かに聖女も万能ではないし」

「どうしたんだいイライザ。今日は朝からずっと。やはり”夢”ですか?」

「ええ、いやどうかしら。やっぱり少しまだぼーっとしているのかも」

「じゃあ食って元気ださねぇと。うめぇなこれ」

「そうね」


 やはりどこか見知ったデビルドエッグを味気なく感じながらも食事を済ます。

 貴公子たちには断りを入れ、従僕を伴い部屋に戻った。


「イライザ様。本日のご予定はキャンセルいたしましょうか?」

「いえいいわ。体調は問題ないです」

「では本日の御召し物はいかがいたしましょうか」

「ドレスはそうね。どれに――ああ! あれよ! 先日お父さまから頂いたドレスにしましょう。まだ着てなったわよね?」

かしこまりました」


 従僕が異を唱えない。

 つまりそれは初めて着るドレスということだ。グラティアリス家の者は一度着た服は二度は着ない。誰かに下賜するのがならわしだ。

 だから頭が眩んで、溜息が盛れた。


「お似合いでございますイライザ様」


 持ってきたドレスはやはり黄色。合わせて持ってきたのは黒の肩掛けフィシュー

 手を通し、肌に触ると確信は衝撃となって脳天を撃った。

――これは着たドレスだ

 光沢と張りのある絹の生地。それでいて縒り織られた抵抗ある手触り。間違いなくこれは着た。

 私が、グラティアリス家の者が一度着た物を忘れるわけがない。

 これは着たのだ。

 夢ではなかった。確実にこの肌が覚えている。


「イライザ――様?」


 従僕の声もどこか遠く。今日初めて夢から醒めたように頭がはっきりしたよう。


「ああ、そうね。やはり体調が少し良くはないわ」

「やはり本日は――」


 手をかざして従僕を黙らせた。

 邪魔だと感じる。怒りすら沸く。従僕の小動物のような顔も。今は邪魔。

 何故だろうか。

 そう、私は今焦っている。どういうわけか焦っている。

 今日を知り、既に経験している私が今焦っている。

 何がある。何かがある。

 私が時を戻らねばならなくなるほどの何かが。


「そうね。貴方の言うことはもっともです。でもこの後の予定は変えられない。昼は刺激物を控えてさらっと入るものをと伝えて来てくれるかしら?」

「はい、かしこまりました」


 朧げな記憶は霧が掛かったようだった。幾ら考えても先は見通せない。焦れば焦るほど掴みとれず、濃くなるばかり。見えるのは手の届く範囲だけ。

 だから見えた記憶の通りにしてみる。

 そう、従僕を厨房に送り出す。

 彼女は厨房に行き、言伝ことづてを料理人に伝える。そして――


「いやぁぁぁぁぁっ!!」


 衣を裂いたような従僕の声が館を駆け巡る。けど私の心は揺れなかった。

 何故ならこうなることは分かっていたから。

 この後のことも今思い出し――私は肩を抱いて身を震わした。

 そして「奴らが来る」と呟く。


「アンナーっ!! どうした―ーなんだこいつらいった――やめっ誰かぁぁぁっ!」

「フェレンツ! どうし――うわぁぁぁ」

「くっ、なんでこんなところに沸くんだっ!」

「――ちっ」

「逃げるなっ! 武器を取れ! 二階に上げてはならん」


 館中はひっくり返ったような騒ぎだ。窓は破られ、壁は揺れ、扉は壊され、絨毯は引き裂かれる。威勢の良かった貴公子たちの声もやがてか細くか弱い悲鳴になった。

 静かにそれでいて下品で無遠慮な足音たちが確実にここに向かってきている。


「遅かったか」


 だとしても簡単に引き下がるわけにはいかない。

 扉の前に来たであろうタイミングで手に集めた魔力を、氷のつぶてと化して撃ち放つ。


「下郎が」


 放たれた氷は扉ごと破壊し、轟音とともに崩れて煙を立てる。

 だけども足音は一瞬の躊躇もない。

 故に私も間髪入れずに逆の手にて魔力を放つ。

 もっとも聖女の力とは万能ではない。

 魔力さえ続けば負けることはないだろうが、無限に続くわけでもない。館の敷地を更地にするほどの力もありはしないのだ。

 この館に充満する敵の数にもまったく足りないだろう。

 ”奴ら”はどんどんと迫ってくる。

 扉のあった場所、煙の向こうからついにはその臭気が漂って来る。

 舌まで爛れるような刺激ある匂いが。一週間放置した卵のような、飢饉で殺しあい滅んだ村の跡のような、子供までも殺された凄惨な戦闘の跡のような、およそ命ある者が発してはいけない冒涜的な匂いが、私の部屋までにまでも充満した。

 幾ら氷結の魔法で打ち抜かれようとも足を止めず、身体がばらばらになっているのにも関わらず、手だけでも這って来て私の部屋の床を汚した。

 露わになった姿だけでも吐き気を催す。生者には正視に耐えないかの敵の姿。目は溶けだし、皮は剥げ、肉落ち、したたる血もなくした人間だった”奴ら”。


――アンデッド


 そう私は今日こいつらに殺されたのだ。

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