第2話

だから、私は


普通の女の子ではなく


男のように強くいなければいけなかった。


『自分の身は自分で守れ』


小さい頃に祖父が私に言った言葉。


それがこの世界で生きていくための術であり


私を守る全て。だから、死にもの狂いで


兄や祖父、大人たちと稽古と言う名の


いじめに耐えぬいた。そのおかげで


今では、そんじょそこらのチンピラに


喧嘩で負けるようなことはないし、


瞬発力と逃げ足の速さ、

追ってを巻くスキルは天下一品。


組の中でも私の右に出るものは


ほんの一握りだ。


だから、私は最強な女子として


学校という場所で、常に浮いた存在だった。


恐れられて、一線引かれるのは当たり前。


私自身、一人でいることに慣れていなくて、


最初は異様な視線が癪に障り、当たり散らしたが


自分の立場が悪くなるだけで解決しないことを知った。




『誰も私を知らない場所で生きていけたら


どんなに楽だろう。』


願わずにはいられない。


そんな場所で生きてみたいと。


_________


なぜそれで不良高校を選んだかって?


「それは、、、秘密!あっでも、

不良高校の方が色々と自由で楽しそうだなと

思ったから♪」


と兄二人に不良高校を選んだ理由を伝える。


「まぁ、梨紅が、それでいいなら良いけどよ。


片道、1時間半もかかるとはなぁ。


早起き苦手なくせに梨紅もバカだな~。」


そう言って私の頭に手を置くのは


ザ、ヤ〇ザ風の長男


山城 朔夜

(やましろ さくや)。


短気で、ドSで、意地悪だけど


強くて、優しいところもある私の頼れる兄だ。


「まあ、何かあったら僕らにちゃんといいなよ。」


とほほ笑む。


もうひとりの兄、


ザ、王子様風の次男


山城 境夜

(やましろ きょうや)。


賢く、スポーツ万能、 万人受けのモテ王子


だけど、もの凄い猫被り。


、、、魔王のような一面を持ち合わせているので怒らせないように


気を配るのが大変な、ちょっと面倒くさい兄である。


二人はかなり、性格に差があるけど双子で


見事に同じ顔をしている。


今は、髪の長さも


セットの仕方も身体の線も違うから


誰がみても見分けはつくけどね。




説明はこの辺にして


時計を見ると、、、


「あれ?


さっきも6時10分で、今も6時10分、、、」


おかしいと思って携帯をみると6時35分。


「な、な、なんで止まってんのよ~!」

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