総武線で懸命に席取りに励んでいたら、そのライバルの女を猛烈に好きになってしまった件

能戸居留守

エピローグ

俺の名前は、関賀大地。

通勤前の電車の席とりに命を賭ける男だ。

なぜそんなことに命を賭けるだって?


ははは。

そんなことも分からない君は、恐らく満員電車に無縁な人生を送っているか、車内おしくらまんじゅう大会で痛めつけられることが大好きなドMかってところだな。


いいか。座れるか座れないかで、その日の仕事のパフォーマンスがマジで大きく違ってくるんだ。

そうだな、20階建てのビルの非常階段を普通は3往復しかできないところを、5往復はできるようになる。


ふとんが吹っ飛んだ級の上司のつまらないギャグにも、はっはっはっと盛大に笑い飛ばせるぐらい違ってくる。


とにかく満員電車の中で座れるか否かによって、その日の体力ゲージの上限が違ってくるんだよ!!


小学校、中学校、高校、大学、この日までずーっと競走を避けてきた俺だが、電車の中の席とりとくれば話は違う。

なぜか分からないが、沸騰するように血が騒ぐんだ。


少しづつ、俺がどうやって席とりに挑んでいるのか気になってきただろう?

よし、教えてやるよ!


あと席とりは、体力温存だけじゃない楽しみもあるから併せて教えてやるぜ!


そしてみんなも明日から席とりに挑んでくれ。

でも、俺のライバルになるのだけは勘弁だ。

まあ仮になったとしても、俺の相手じゃないんだろうけどな。

そこんとこよろしくな!


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