ただいま。
御願崎冷夏
第1話 浦島太郎のクリスマス
何か月かぶりに
ここになにか書こうとして
どの項目から入ればよいのか
わからなくなっていて
みつけるまで10分かかった(笑)
そんな浦島太郎は
自分の居場所が見つかるまで
彷徨いついでに禁断の箱を開け
ずいぶん白髪が増えましたとさ。
自分にとってあたらしい家は
実際全然あたらしくはないが
なんだか懐かしいものがいっぱいで
なにより自分好みの空気、
というか、音とか、感じ、が
あちこちにあることは間違いなく
例えば
台所の水道の蛇口から
数秒おきに
ぽた ぽた ぽた
と無駄な水滴が落ちる音とか
(はやく水道屋さん呼ばなくちゃ)
雨が降ると
ぱら ぱらぱら ぱらぱらぱら
から始まって
ずずずぁぁぁああああ!!!!!まで
クレッシェンドしていく
オーケストラみたいな感じとか
(平屋なので屋根が近い)
風が山から吹いてきて
平たい屋根を渡りながら
家の壁を揺さぶって
樹々の枝の間を切り裂いてまわりながら
枯れ始めた葉をさんざん落として
幅広い畑まで下りて
ゆっくりおだやかになる感じとか
(目の前はおおきな貸し農園)
そういえば今日はクリスマスらしいから
猫に珍しいおやつをあげた。
猫はびっくりして、
それらを一旦皿から外に出してみて
くんくん匂いを嗅いでから
ひとつずつかじりながら
ときどきこっちをチラチラ見ている。
実をいうと、
引っ越してきて二日目に脱走して
二日間行方不明になっていた彼女は
無事戻ってきた後に、
家のあらゆるところを
ビクビクしながら嗅いでまわっていたけど
この新しくもない家について
わたしの好む
空気や音について
どんな感じがしているのだろう。
おっと。
今日は絶対帰ってこんよねーのはずの息子から
今から帰るってラインが。。。
・・・・
やばい。
ケーキも頼んでいないし
特に何も作ってませんよ?
めんどくさい奴www
そんな今年の聖夜です。
ただいま。 御願崎冷夏 @uganzaki
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。ただいま。の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
関連小説
しおさい日誌/御願崎冷夏
★3 エッセイ・ノンフィクション 連載中 6話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます