雪の結晶
海空
冬の空と君のため息
どんよりとした雲の下、君は空を見上げ小さく息を吐いた。
「何かあった?」
「……たいしたことじゃない」
はぐらかすように笑う。
目の下のクマ、僕が気付かないと思った?
ひかりとはずっと一緒にいた。何を考えているかなんて言葉にしなくてもわかるくらい長い時を過ごしてきた。だけど最近のひかりは僕を避けている。家族同然に過ごしてきたのに寂しいじゃないか。昔のように何でも話して欲しい。
「ひかり、最近何も話してくれない」
「それは、ちょっと忙しくて」
「忙しいって何だよ。目の下にクマつくって、ため息ばかり、好きな人でも出来たのか? 僕、ひかりのこと邪魔するつもりなんてないぞ。少しくらい相談してくれてもいいじゃないか」
「いや、好きな人なんていないし、その、集めてたの。クマが出来たのも、ため息も多分そのせい」
「集めてたって何を?」
「雪の結晶」
「雪? どうするの? それ」
「たぬき商店で200ベルで売る」
────『あつ森』かよ。
雪の結晶 海空 @aoiumiaoisora
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