~ニコライの試算(しさん)~『夢時代』より冒頭抜粋
天川裕司
~ニコライの試算(しさん)~『夢時代』より冒頭抜粋
~ニコライの試算(しさん)~
学(がく)の維持から向上して活き俺の胸中(うち)にはやがて概(おお)きな死骸が跳んだが、旧い〝葦〟には許容(ゆるし)が乞われて、自己(おのれ)を培う無造(むぞう)の進化に一幻(ゆめ)をすっぽり象り出した。――生れ始めの幼稚な許(もと)には無頼を着飾る進化が苗(な)え付き、鎹から成る杞憂の主宴(うたげ)は幼児(こども)の進歩を促進して活き、促栽(そくさい)され生(ゆ)く未熟の様子は表情(かお)を保(も)たない哀れと成った。――、幻想(ゆめ)の小躍(おどり)に真綿が活き出し自体(おのれ)の真綿でしっかり温(ぬく)まる用(よう)を足せない未完(みじゅく)の哀れは、幻(ゆめ)の咎(とが)から何も活きない晩夏(なつ)の微温味(ぬるみ)を矢庭に据え持ち、今年の初秋(あき)から平和の晩秋(あき)まで過労に通じる念力さえ保(も)つ…。無垢に慕(した)わる初めに掌(て)にした緩い記憶は幻想(ゆめ)と生気の矛盾に暮れ生く凡庸(ふつう)の自主(あるじ)の白壁(かべ)に向かって、夢想(ゆめ)への危惧から無己(むこ)を象る白紙(こころ)の調度に衰微を図られ、精神(こころ)も思惑(こころ)も真心(こころ)も気心(こころ)も純情(こころ)も本心(こころ)も人体(からだ)に保(も)たない私闘遊戯(しとうゆうぎ)の愚昧の〝哀れ〟が、現行(いま)を活き得る現代人(ひと)の旧来(むかし)に概(おお)きく居座り無理をして居る…。現代人(ひと)に在るのは罪に狂奔(はし)れる本能(ちから)の一つ。現代人(ひと)の遊戯は滑稽から成る死亡の許容(うち)から活性していた。幻想(ゆめ)の境地へ矛盾が報せる俺の白紙(こころ)は無力を共鳴(さけ)び、白亜(しろ)い檻(おり)から無宿(むじゅく)の生果を器用に纏める辛(から)さに詰め上げ、旧来独語(むかしがたり)の四旬(しじゅん)の折りには、夜半(よわ)の寝床が人形(ひと)を仕上げる無界(むかい)の小敗地(アジト)が生活して居る。幻想(ゆめ)の自滅(ほろび)に虚空が蟠(たま)れる無知の身欲(みよく)は群象(ぐんしょう)さえ識(し)り、自体(おのれのからだ)を最近知れ得る幼稚を掌(て)にした奔走等には、分厚(あつ)い遊戯がどんどん翻(かえ)れる私塾の朝から無言を嗾け、翌朝(あさ)の優美(ゆうび)に自己(おのれ)を呼べ得る私情(こころ)豊かな白亜(はくあ)の天使は、一幻(ゆめ)の延命(いのち)に器量が咲かない〝物(もの)〟の遊戯に弁茶羅(べんちゃら)している。
改め始める幻想(ゆめ)に纏めた自己(おのれ)の生気は、事始(こと)に纏わる未活(みかつ)の遊心(こころ)を夕日に照らして俗世を毛嫌い、人物(もの)の四肢(てあし)にしがみ付くまま性根(しょうね)を腐らす旧(むかし)の傀儡(どうぐ)を、感覚(いしき)に届けて無感覚(いしき)に引き出す艶(あで)な法(ほう)から解明した儘、幻(ゆめ)の初端(すそ)から奇妙に勃(た)ち往(ゆ)く首(どくろ)の主観(あるじ)に認識させ得た。幻(ゆめ)の孤独を延々包(つつ)める事始(こと)に向き生く〝哀れ〟な独自は、幻想(ゆめ)の許容(うち)から本能(ちから)を幻見(ゆめみ)る滑走経路を有難にも識(し)る…。
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…天然に肥えた雄(おす)が出て来た。雄は或る時『鉄拳』のポールにも似て、同時に、ケンタッキーでバイトして居た時に再会をした白い猪突の男にも似た。又、その雄は、これまで俺の傍(そば)から結婚して巣立って行った(離れて行った)全ての知人に見えたりもした。白い猪突の男は小学校時の級友である。
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明日(あす)の希望(あかり)に尋常(ふつう)を観ながら幻想(ゆめ)の現(うつつ)に凡庸(ふつう)を見抜かれ、脆弱(よわ)い幻想(ゆめ)には朝陽が届かぬ孤独の言語が噴散(ふんさん)している。俺の心身(からだ)が女性(おんな)を乖離(はな)れて遊離の形に身欲(よく)を観ながら明日(あす)への共鳴(なげき)に魅惑を想わす事始(こと)の経過(ながれ)を器用に見忘れ、漆黒(くろ)い人煙(けむり)に虚無を巻かれる勝手ばかりが新参し始め、孤高の未憶(みおく)が紡ぎ行かれる気楼(きろう)の豊穣(ゆたか)は清閑(しずか)に萎え生く…。人間(ひと)の形(かたち)が既視(すで)に撓(たわ)めた自己(おのれ)の発声(こえ)には未順(みじゅん)が究(きわ)まり、忘れ果て生く白亜(しろ)い規律(おきて)は身軽(かる)い都会女(おんな)にどんどん擦(す)り寄り、自然(あるじ)の味方が女性(おんな)に成るなど男性(おとこ)の精神(こころ)は二手(ふたて)に分れて、強靭(つよ)い一男(おとこ)と脆弱(よわ)い男性(おとこ)の対極ばかりが俗世(このよ)を彩(と)った。俺の心身(からだ)は煩悩(なやみ)を忘れて躰を棄て置き、虚無の許容(うち)から女性(おんな)を造れる神秘(ふしぎ)の孤独に化粧を解(ほど)かれ、甘い吐息が木霊すばかりの旧い俗世(このよ)に気楼を観たのは、厚い空間(すきま)に分散して生く一女(おんな)の残臭(におい)と落胆だった。俺の背後は現(うつつ)が象る女性(おんな)の余命(いのち)を事毎(ことごと)費やし白亜(はくあ)と見紛い、分厚(あつ)い規律(おきて)を真摯に気取れる強靭(つよ)い阿国(おくに)の美朗(びろう)を着せ替え、無茶な女性(おんな)の美麗を紐解く真摯の瞳(め)をした自分の分身(かわり)を、宙(そら)に跳(と)ばして文句(ことば)に留(と)め得(う)る真っ向勝手(まっこうがって)の目論見から観た。現代人(ひと)の生活(かて)から自ずと乖離(はな)れる一幻(ゆめ)に活き得た旧(むかし)の賢者(けんじゃ)は、俺の背中にずっと活き得る旧来独白(むかしぎこえ)の秘密(からくり)から漏れ、現代人(ひと)の価値など全く識(し)れない独人(ひとり)の明日(あす)へと亘(わた)って行った。
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両目がややとろんとした誰かに似て居る黒髪の女が出て来た。初めに彼女の方から一方的に片想いしてくれて、俺の彼女の様(よう)に成ってくれて居た。器量は見立てに寄れば好(よ)い物の様(よう)だったが、飛び切り可愛らしいと言う程の物でも無かった。故に俺の思惑(こころ)には、自分の彼女・配偶者に成るのはこの娘でなくても構わない、と言ったような、一瞬ずつの迷いのようなものが寸々(ちょくちょく)顔を出して居た。
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…彼は或る文芸雑誌で「硝子」という小説を読んだ。
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都会の女が俺から乖離(はな)れて児(こども)の眼(め)をした漆黒(くろ)い珊瑚が憔悴した儘、俺の心身(からだ)は常識(かたち)が分らぬ純白(しろ)い不断がはぁはぁ息巻き、純白(しろ)い小躍(おどり)が無数に蔓延る無憶(むおく)の分厚味(あつみ)を構成して居た。高滑席(リフト)に蔓延る無断の気色が俺の前方(まえ)から滑々(つるつる)暗転(ころ)がり、日本の秋から夜長に片付く無意(むい)の景色は盲信した後(のち)、幻(ゆめ)の厚味(あつみ)に邁進して生く滑稽(おかし)な労苦の中流労(ブルジョア)達には、狭い視察の界(かぎり)の許容(うち)にて堂々巡りの無心を彩(と)った。一途(いちず)の幻想(ゆめ)から一男(おとこ)が失(き)え去る女性(おんな)の企図には悪意が漲り、幼稚な女性(おんな)の旧(ふる)びた視野では未来(さき)に発(た)て得る理性(はどめ)が成らずに、空野(くうや)に仰け反る幻夢(ゆめ)に跨げる無駄な晴嵐(あらし)は、奇想の範囲(うち)から原野(げんや)に暗転(ころ)げる虚飾の空間(あいだ)を通感(つうかん)して居た…。
幻覚(ゆめ)の翻(かえ)りを真面に占め出す自体(おのれ)の無口は帰郷に伴い、幻覚(ゆめ)の狭筵(むしろ)が屈葬され行く邪魔な女性(おんな)の未知が高まり、幻覚(ゆめ)の概(おお)きに固陋が低まる無数の輪舞曲(ロンド)は段々透され、淡く弾ける虚空の翌朝(あさ)には、「翻(かえ)り」が利かない無用の自主(あるじ)と文言(ことば)を依(たよ)れぬ無業(むぎょう)の自主(あるじ)が孤独を観た儘すんなり活きた。―――。耐えて忍べる脆(よわ)い唸(うね)りは煩悩(なやみ)の許容(うち)から主観(おのれ)を遠ざけ、次第に高まる宙(そら)の幻(ゆめ)から器量を忘れた小僧が袈裟駆(けさが)け、明日(あす)を這い生く滑稽(おかし)な一幻(ゆめ)には陽光(ひかり)の厚味(あつみ)に体形(かたち)を失う橙色した小志(こころ)の所以(ありか)が、漆黒(くろ)い煩悩(なやみ)を行李(かご)に容(い)れ生く未覚(みかく)の自然(あるじ)を充分観て居た。―――俺の居場所は夜目(よめ)に映らぬ未憶(みおく)の寸出(すんで)に据えて置きつつ旧い芽株(めかぶ)が昨日に準ずる暗い夜から密かに仕上がり、明日(あす)の背中へ駆けて堕ち行く幻想(ゆめ)の脚色(いろ)には無断が活き付け、酔狂(くる)う日(ひ)の粉(こ)が一通(とおり)に抜けない紺(あお)い真昼がかっと燃え生く…。
俺の未完(みじゅく)が生気を画(かく)せる旧い夜霧は発声(こえ)に流行(なが)れて、夜半(よわ)の月(つき)から矛盾を観て生く感覚(いしき)の上では煙たい鈍(にぶ)りが興(きょう)を紐解き、明日(あす)の宮(みやこ)へどんどん堕ち生く旧い懸橋(はし)には魑魅が袈裟駆け、幻夢(ゆめ)の文言(ことば)が水鏡(かがみ)に映れる無駄の〝社(やしろ)〟は一男(おとこ)を儲けた。幻想(ゆめ)の空間(すきま)が鋭く澄み行く旧い案山子の温度の内(なか)には、精神(こころ)が縛られ損をして生く旧い水面(みなも)がどっしり居座り、結婚してから男性(おとこ)の労費が女子を気遣い増えて行く儘、結婚したのち一男(おとこ)が死に往く無言の規定(さだめ)を語らい始めた…。
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…女性(おんな)と結婚した男性(おとこ)は必ず死期を早めるものだ。
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生気を奪(と)られた男性(おとこ)の人群(むれ)には宙(そら)を飛び行く〝男・女(だんじょ)〟が現れ、早い吐息に我を忘れる司業(しぎょう)の末(すえ)にて末路を彩(と)られて、一人弄(ひとりあそ)びに強靭(つよ)い一女(おんな)に児(こども)を奪われ一男(おとこ)の生活(かて)には、幻(ゆめ)の無駄から無益が生じる緩い規律(おきて)が舞い込み始める。女性(おんな)の貌(かお)には余裕(ゆとり)が失(け)されて烈しさだけ発(た)ち、「強い母性(はは)」など標語(ことば)を連ねる無知の欠伸が間延びをした儘、膨らむ気儘は遊女(おんな)を培い生活(かて)を欲張る行李(かご)の独房(へや)から男性(おとこ)を追い出す。女性(おんな)の哀れはは未知の目下(ふもと)で悪態吐(づ)き生く我儘・気儘を執拗(しつこ)く振り上げ、孤高の勇者に朝の無いうち女性(おんな)の御殿は揚々膨らみ、男尊女卑から女尊男卑(じょそんだんぴ)の隠れた試案を充分、練り上げ、不快調和(ふかいちょうわ)を余分に蹴散らす狡猾極まる幼稚を集める…。女性(おんな)の自覚(かくご)は旧い一幻(ゆめ)から試算に仕上がる無数(かず)を収めた思想に基づき、狂い咲きする脆弱(よわ)い正義は夜半(よわ)の日元(ひもと)を既視(おおめ)に観た儘、自体(おのれ)の真昼をぽつんと浮べる未完(みじゅく)の居座(すわり)に胡坐を決め込む。人間(ひと)の空体(からだ)に意表が表れ無為に寝就ける幻夢(ゆめ)の暗路(やみじ)は夢想(むそう)に集まる個録(ころく)の途(と)を識(し)り、意味の無いまま宙(そら)を気取れる昔気質(むかしかたぎ)の独身(かたみ)が在った。白亜(しろ)い孤独に陰府(よみ)を識(し)るうち一幻(ゆめ)に準(なぞ)れる故郷の真中(まなか)は、活きる全身(からだ)に文言(ことば)を託せる虚空の日中(ひなか)を真っ直ぐ気走(きばし)り、問答して生く旧(むかし)の活き血は若い自己(おのれ)を活性させ行く…。幻(ゆめ)に頼れる煩悩(なやみ)の主観(あるじ)は自体(おのれのからだ)を宙(ちゅう)に浮かせる架空の旋律(しらべ)を真傍(まよこ)に携え、幻想(ゆめ)の祈りに未知を問わない緩い気丈に追い込まれて居た。一幻(ゆめ)の白壁(かべ)には分厚(あつ)い気力が気迫を呼び付け幻(ゆめ)の主観(あるじ)の漆黒(くろ)い身辺(あたり)は生相(きそう)に伴う活力(ちから)を見て採り、幻想(ゆめ)の活力(ちから)に腕を組み去る桃(はで)の一輝(ひかり)を純白(しろ)く潰した。
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俺は確か大学の催しに参加して居り、その催しは実は、俺が自宅でこれまで積み上げて来た成果が実って成ったものだった。その成果とは、ドラゴンクエストⅧの事で、ずっとレベル上げをして居た努力が報われての一大イベントだった。
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人間(ひと)の孤独を緩和するため宙(そら)の目下(ふもと)に余命(いのち)を垂らせる向日の儀式を既視(おおめ)に観て居り、机上に拡げた無意(むい)の諸刃(やいば)は事毎(ことごと)虚無から脱出して活き、白亜(しろ)い私欲(よく)から未信(みしん)を併せる気丈の揺蕩(ゆらぎ)が往進(おうしん)して活き、幻想(ゆめ)への自覚(かくご)を見守り続ける分厚(あつ)い主観(あるじ)は幻滅した儘、在る事無い事、総ての主観(あるじ)を虚構(ドラマ)に照らせる無心の仰臥(ぎょうが)を打ち始めて居た。
一幻(ゆめ)の未完(みじゅく)に総力(ちから)を費やし一幻(ゆめ)の生途(せいと)を未知に畳める故意の自主(あるじ)は矢庭に静まり、時折り急いては母性(はは)を愛する自己(おのれ)の無欲を詩吟して居り、母性(はは)の一胎(たい)から呑気が解(ほぐ)れる古郷(こきょう)の静間(しずま)を得々(とくとく)観て居た。―――、五月蠅(あわ)い背中に夕日を引くのは自己(おのれ)の発声(こえ)にて幻想(ゆめ)等には無く、分厚(あつ)い独語(かたり)が独創して行く旧来独白(むかしがたり)の残肢(ざんし)の上では、幻(ゆめ)の水面(みなも)が常盤に咲かない旧い〝手数(てかず)〟に相当している。幻想(ゆめ)の酔いから強靭差(つよさ)が産れて俗世(このよ)の生果に充分見たのは、自体(おのれのからだ)が延び生く人陰(かげ)から幻(ゆめ)の理(り)を解(と)く阿婆擦れでもあり、幻想(ゆめ)の自覚(かくご)を殊に概(おお)きく報(ほう)じて居たのは、旧(むかし)に仕舞える架空を掌(て)にした黄泉を識(し)り得(う)る涼風でもある…。孤独の真中(まなか)を術(すべ)が無いまま独歩(ある)いて生くのは自体(おのれ)の幻想(ゆめ)から燦々照り生く拙い延命(いのち)の清閑(しずけさ)からにて、俗世(このよ)の元(もと)から幻想(ゆめ)を概(おお)きく彩り始めた自己(おのれ)の身辺(あたり)の活気の成果(はて)には、一幻(ゆめ)に即した漆黒(くろ)い髑髏が途(みち)を捜して大きく鳴いた。
強靭(つよ)い静寂(しじま)の脚力(ちから)の生果(さき)から幻想(ゆめ)の明日(あす)へと嗣業を続ける巧い秘密(しかけ)が自然(あるじ)から活き、自己(おのれ)の人影(かげ)から生気を相(あい)せる白亜(しろ)い柔和に脚色(いろ)が落され、俺の背後に勇気を見て取る神秘(ふしぎ)の日(ひ)の粉(こ)は裸償(らしょう)を負った。自己(おのれ)の生気を程好く纏める拙い延命(いのち)の相(そう)の許容(うち)には、明日(あす)への孤独が〝打開〟を紐解く幻想(ゆめ)の大器(うつわ)が然(ぜん)として在り、男女(ひと)に纏わる俗世(このよ)の延命(いのち)は露(つゆ)に消えない生命(いのち)を保(も)たされ、孤独と孤独を宙(そら)へ翻(かえ)して揺さ振る悪魔は、事毎調子を天(そら)へ仰げる旧(むかし)の生憶(きおく)に葬られて居た…。分厚(あつ)い白壁(かべ)から静寂(しじま)が出遅れ、旧い気憶(きおく)が多少を識(し)り行く生活(かて)に飽きては、男女(ひと)の孤独が狂奔して生く一幻(ゆめ)の未活(みかつ)に無頼が擦(す)り出て孤独の晴嵐(あらし)を品留(ぴんど)めして行く俺の白紙(はくし)は終始浮き立ち、白亜(しろ)い驟雨に見紛う生活(かて)には目的(あて)の無いまま無断を欲しがり、気楼に呑まれる旧(むかし)の体(からだ)は性(せい)に輝き自主(あるじ)を呼んだ…。孤独の分厚味(あつみ)が緩々解(ほど)けて一幻(ゆめ)の小器(うつわ)が宙(そら)へ流され、自体(おのれのからだ)を未憶(みおく)に眺める夢中の音頭は段々膨らみ、幻(ゆめ)に巻かれる途中の恨みは思惑(こころ)の体裁(かたち)を概(おお)きく越えた。白亜(しろ)い孤独が自己(おのれ)に失(き)えても夢中の揺蕩(ゆらぎ)は道標(みちしるべ)を観て、一女(おんな)の孤独に恋を咲かせる幻想(ゆめ)の亘(わた)りは夢中を識(し)らねど、分厚(あつ)い白壁(かべ)には明日(あす)に並べる精神(こころ)が開(ひら)かれ、黄泉の故郷(くに)から一人(ひと)を裁ける旧来独白(むかしがたり)の温味(ぬくみ)を知った。俺の心身(からだ)は真白(しろ)い気色が宙(そら)を見たまま自体(おのれのからだ)が器用に倣える風習(ならい)の合図を充分見て取り、一幻(ゆめ)の白衣(ころも)に一幻(ゆめ)を見て取る固陋の自覚(かくご)は暗算しながら、脆弱(よわ)い自己(おのれ)を真面に見て取る俗世(このよ)の呼笛(あいず)を充分見守る…。白亜(しろ)い吐息が奇想の企図へと自ず運ばれ、未知の幻(ゆめ)から幻想(ゆめ)を責め奪(と)る俗世(このよ)の模倣(ならい)に人形(すがた)を見て取り、分厚(あつ)い護りは明日(あす)に仕上がる旧(むかし)の貌(かお)さえ未完(みじゅく)に就いた。一幻(ゆめ)に仕える保身の矢先に黄色い瞳(め)をした孤高が渦巻き、旧来独語(むかしがたり)に本音を埋(うず)める分厚(あつ)い囃しに詩吟(うた)を縫い付け、現世(このよ)と現行(いま)との黄泉への下(くだ)りは男・女(だんじょ)の感覚(いしき)を自然(あるじ)に観た儘、父性(ふせい)を乖離(はな)れた自体(おのれ)の精神(こころ)を最も相(あい)して概(おお)きく愛でた。
*
しかしそのドラクエⅧは変っており、四人しか普通はパーティを組めない(しかも最初からドラクエを作るスタッフ側が決めている)のに拘らず、その四人に加えて予備軍の様(よう9に(ベンチ入りの控え選手の
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~ニコライの試算(しさん)~『夢時代』より冒頭抜粋 天川裕司 @tenkawayuji
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