実在した歴史人物や史実をも呑み込む圧倒的筆致
- ★★★ Excellent!!!
刀に身も心も喰われ未だ何処かをさ迷っているだろう"千尋"と、苦過ぎる後悔と憎しみとそれをおそらく遥かに凌駕する情愛に翻弄されながら千尋を追う"錬十郎"、他人の黒い情念や過去を映像として映し出せるという業を抱えながら錬十郎に従う幼き僧侶"浄心"の物語、連載第二回。
この回は、実在した鎌倉時代の坂東武士、佐々木盛綱("鎌倉殿の13人"を観た方々は「あー!」と思い当たるのでは)が登場します。人の命が今より軽く扱われていた時代の事でも、史実として伝わるほど人でなしのエピソードが残る人物。没年不詳なこの人が、人喰い刀とその周辺人物たちにどのように関わっていくのか。ワクワクしながら一気に読めてしまう傑作です。
もう1人、あっと驚く人が登場します!