メガネちゃんリミテッド。〜鏡の国からこんにちは〜
猫野 尻尾
第1話:人んちの庭にドームテントを張る女。
はじめに・・・。
全面再編集です・・・一部を除いて内容が全く別物に変わってます。
《パラレルワールドのさまざまな世界の中には「鏡の国」って場所が存在する》
僕の名前は「
職業は派出所の巡査・・・おまわりさん。
日々、市民のために頑張ってる・・・つもり。
とある朝の出勤前の出来事。
母ちゃんが洗濯物を干しに庭に出た時、広くもない庭に見知らぬドームテントが
張られていたらしく、母ちゃんが慌てて僕に知らせに戻ってきた。
庭に降りて行ってみると、母ちゃんの言ったとおり庭の芝生の上にドームテントが張ってあるじゃないか?
いったい人んちの庭にテントなんか張るやつは誰だ?
で、僕は恐る恐るテントの中を覗いてみた。
そしたら・・・そしたら、見ず知らずの女の子がひとりテントの中でグーすか
寝ていた。
見たところ、僕よりも若く見えた。
なんで?
なんで、女の子が僕んちの庭でテント張って寝てんだ?
いくらぼっちキャンプが流行ってるとは言え人の庭に・・・。
ここはキャンプ場じゃないぞ。
それにどこからやってきたんだ?
たとえば一人旅の途中で暗くなってやむなく僕んちの庭で野宿しようと
思ったとか?・・・。
当然、起こして理由を聞くしかないわけで・・・。
ってことで僕は女の子を起こした。
「すいません・・・起きてもらえませんか?」
「・・・・・・・・」
「すいませ〜ん・・・よく寝てるようですけど起きてもらえませんか〜?」
すると女の子はびっくりして飛び起きて目をパチクリさせた。
で、眠そうな顔で片目だけ開けて眩しそうに僕を見た。
僕のことがよく見えないのかその子はメガネをかけた。
「あ・・・ども・・・、おはようございますぅ」
その子はペコッと頭を下げた。
「はあ・・・おはようございます」
「起きたばっかでなんですけど・・・なんで僕んちの庭にテント張って寝てた
んでしょうか?」
「ごめんなさい・・・現れたところが、たまたまここだったから・・・」
「真夜中だったし、ここでいいやと思って・・・芝生も綺麗だったし」
「家の方に声をかけるとご迷惑かと思って黙って勝手にテント張っちゃいました」
「現れたって?」
「はい、空間から・・・あ〜戻ってきたってほうが正しいです」
「よく分かんないんだけど・・・」
「厳密に言うと鏡の国ってところから帰ってきたんです、私」
「・・・・・だから、それが分かんないって言ってるんだけど」
「あの、ちょっとテントから外に出ていい?」
「はあ、どうぞ・・・なんなら家の中で詳しいお話聞きましょうか?」
テントから出てきた女の子は、このへんじゃ見たことない高校の制服を着ていた。
どうみても中学生には見えないから女子高生なんだろう。
しかも、僕のタイプだし、めちゃ可愛いし・・・。
その子、髪は薄いピンクにセミロング、で、印象的な丸メガネをかけていた。
何者なのか分からないけど、可愛い子は、どうしたって可愛い。
「あっ、ちょっと待って・・・せっかくだから記念に写メ撮っとこう」
「いい?、ちょっとこっち着て・・・撮るからね」
「はい、おっけー・・・ありがとう」
「ごめんなさい、張りっぱなしのテント仕舞うね」
そう言って彼女は腕を前に伸ばした。
なにを始めるのかなって思ったら手をグーにしてドームテントのほうに向けた。
そしたら薬指にはめている指輪らしいモノから光で出て、その光がテントに当たると見る間に小さくなっていった。
ちょっとしたイリュージョン。
で、芝生の上に手の平より小さくなったテントを、今度は自分が肩から下げてる
小さなポシェットにしまった。
およよ〜って驚くことも含めて、とりあえず話を聞くために彼女を家にお招きした。
「それ指輪?・・・便利なんだね、その指輪」
「この指輪、モレキュラーデバイスって言って、どんなモノでも大きくしたり小さくしたりできるんです」
つづく。
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