失望
「神隠しとしか思えません。」
警察が頭を抱えていた。
最初は駅のカメラに映っていたし、赤月壮太くんが最後の目撃もしていたからすぐに見つかると思っていた。
居なくなった日付と場所がはっきりわかっていて、まったく何も見つからない。
「何度見直しても急に歪んで消えているんです。」
何回見たかわからない駅の防犯カメラ。
改札を通る
急に映像が歪み、その次に消える。
「階段の上にいた赤月壮太さんは、
目撃はそれだけです。」
「ずっと同じじゃないですか。」
「それしか言えないんです。それしか無いんですから。」
駅でずっと、探し人のチラシを配る。
最初はみんなチラシを受け取ってくれていた。
テレビにもインタビューされた。
ネットの有名な人もとりあげてくれた。
それは全部利用されただけで、本気で探すものではなかった。
三十日を過ぎるとチラシを受け取る人もいない。
駅員にも、チラシを置く場所を作るから手配りをやめるようにと言われた。
赤月くんも駅に頻繁に通ってくれた。
仕事の通り道らしいけれど、ぴったり
私は仕事を減らして暁のアパートとバイト先に通った。
誰もいないアパートのドアをノックして耳をすませて帰る。
あの子の働き先に頭を下げて様子も聞いた。
とてもまじめに働いていたと聞いた。
「……もう、どうしたらいいの。」
音のしないアパートのドアの前でしゃがみこんだ。
茜が迎えに来て帰る。
いま茜は、ヒノデを気をかけている。
本当にいい父親だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます