第4話‌ ‌前回の最後でお姉さん属性消費したつもりでいます。

 そうなのだ。

 いくらご都合主義展開のおかげでVTuberデビューできそうとは言っても、学校には当然行かなければいけない。

 ご都合主義でも消せない物は確かにある。

 今思ったが中学生でデビューって…

 まぁどうでもいい事だ。

 俺にとってはある意味新鮮な学校生活で楽しいのだ。

 例えばどんな所が?だと?

 モテるのだ。

 凄く。

 オタクであろうとも可愛ければいい。

 可愛い子がやることは大抵絵になる説は正しいのだ!


「おはよー!」


 教室に入る。


「おはよう」


「おは」


 挨拶って気持ちいいな!

 昔は挨拶が嫌いだったけどなんたって皆ニコニコしながら挨拶してくれるんだもんな。

 挨拶冥利に尽きるぜ。


「あ、あの!LONE…交換…」


 大人しそうな男の子が話しかけてきた。


「だいたーん!」


 男の子達に野次を飛ばされている。

 ん?女子とは皆交換してるみたいだけど男子とは交換してなかったのかな?

 まだ5月くらいだしな。

 そんなもんだ。


「ああ、別にいいよ?」


「え!?」


「「え!?」」


 何をそんなに騒いでるんだ?


(おいおい!ついにあいつ夜月さんのLONEゲットしやがったぞ!)


(まぢか…俺も欲しい)


 ん?なんかやっちゃった?


「夜月、なんで今日はOKしたの?」


「いや、気分だけど…」


「あの子毎日LONE交換して!っていってたのをずっと断ってきたくせに…」


 そうだった。

 記憶がごちゃごちゃなのよ!

 仕方ないだろ!


「お、俺も!」


「あ!俺も!」


 それに、自分が超絶美少女だったことも忘れてた。


「ホント、羨ましぃねぇ夜月。選び放題でしょ、きっと」


 そういうのは今世の親友、美咲みさきだった。


「たかがLONE交換でしょ?」


「あんた、この辺での男子支持率ぶっちぎりの1位じゃないの。芸能界にまでスカウトされたのに「嫌です!」っていったもんね」


 そんなこともあったなぁ。


「あんたのお姉ちゃんもよ!母親と父親は普通なのにどうして!」


「あははは…」




 全員とLONE交換完了。


「お、俺毎日送るからな!」


「お、俺も!」


 なーんだ?この逆ハーレム空間は。

 いいよ?こんな感じでチヤホヤされたかったよ?

 だけど…男にチヤホヤされたって嬉しかねぇーんだよ!


「べ、別に送ってやらなくも無いからな!」


 ツンデレっぽい子までよりどりみどり!

 ふざけんなぁ!

 違うだろ!女子がチヤホヤしてくれよ!

 中一の男の子がおっさんチヤホヤしてんの気持ちわりぃよ!

 送んなくていいよ!


「いや、別に送らなくていい」


 めっちゃ冷たい顔して言った。


「ぐおん!」


「わ、分かった…」


 送られるのは回避したけど1部の奴の性癖にぶっ刺さってしまったようだ。

 まぁ、可愛いもんだ。


 キーンコーンカーンコーン!


「おい!お前ら始めるぞ!」


 ・

 ・

 ・

 現在昼休み。

 俺めっちゃ頭良かった。

 おっさん以前に頭良かった。

 ハイスペックすぎんだろ!

 そらモテるわ。

 先生にも好かれてるし。


「お、俺と一緒に…」


「無理」


 あからさまにガーンって感じだ。

 流石にそれはダメだろ。

 一緒にご飯食べるのはもはや恋人だ。

 てかなんか!ハーレムほっかほっかぁ!

 って感じやけど普通に地獄やからな!

 神様、なんで今になってモテ出すんでしょうか…



 帰宅。

 お姉ちゃんに事務所まで連れていってもらう。


「今から社長に会いに行くから」


 ん?社長?偉い人だな。そうだな。

 っておおおおおーい!心の準備がまだ出来てないって!


 心の中でノリツッコミしてて悲しくないのかだと?

 …言うなよ、それを!


「どうした?

 ん?社長?偉い人だな。そうだな。っておおおおおーい!心の準備がまだ出来てないって!

 って言いそうな顔してるけど…」


 やばい、怖い。

 完璧に模写された。


「お姉ちゃんって偉大だなと痛感致しました」


「ほう、もっと敬え」


「それとこれとは話が違うよ!」


 この姉は常にギャグ漫画だ。


「仲が良さそうで結構。その子がナキちゃんかな?」


「あ、はい!シャチョウ!」


 そこに居たのは、メガネを掛けてめっちゃ仕事出来そうな女の人だった。


「初めまして、ナキちゃん。私の名前は紗蝶しゃちょう 加音模かねも、社長だ。あだ名は、そうだな、気軽にシャチョウと呼んでくれ」


 なんか、金もそうな人だなー!(棒)


「はい、シャチョウさん!よろしくお願いします!」


「いい心意気だ。明日、君はデビューする事になる。急ですまないがね」


「いえいえ」


「なるほど、しっかりした子だ。私には30越えの社畜に一瞬見えたよ」


 すげぇわこの人。

 尊敬するわ。

 俺の前世見破りやがった。


「イラスト等から機材まで、完璧に用意した。あと、マネージャーを選んでくれないかな?」


「じゃあ僕の所にスカウトしに来た人がいいです!あの人もマネージャーでしょ!」


 これは決定事項だ!


 はははは、と彼女は笑い


「ではそうしておくよ」


 と答えた。

 よっしゃー!

 美人マネさんゲット!

 前は引かれたが名誉挽回してやる!


「じゃあ機材運んどきますね」


 うわぁ、楽しみ。

 オラわくわくすっぞ!










 こうして、VTuberデビューの算段は整った!

 さぁ!行け!夜月!

 主人公補正を使い、最強のVTuberとなってやるのだ!



 え?主人公補正とか言っちゃダメなやつでした?

 すみません…どうかクビだけは…

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