本物のジョセフ

 キザイアは、不利とみてとると、めきめきと音を立て、脱皮した皮の中に入って戻った。再び、ジョセフ賢者の姿になる。

 そして、その姿が4つに分裂し、4人のジョセフ賢者の姿となり、くるくると空中で回りだす。

「ここから攻撃するとしようか、ご一行さん!この中に、本物のジョセフ賢者が生け捕りになっているかもよ・・・??いいのかな、ニールセン賢者、同じ賢者同士で殺し合うのはご法度だろう・・・??」と、ジョセフの体が言う。

 それと同時に、小キザイアをすべて倒したカレルが、「おい、どうするニール賢者・・!!」と声をかける。

「その答えは僕が知っている」という声がした。知らない声だ。

 笑っていたキザイア・・・4体のジョセフが、すべて一瞬で切り刻まれた。背後からの一撃だった。不意打ちというやつだ。

「なぜなら、僕が本物のジョセフだからさ・・・!!」と言って、賢者のローブをまとった一人の男性が宙を舞う。

「!!あなたが!」と、ニールセン。

「手ごたえがないな・・・」と、ジョセフが言う。「逃げられたか・・・・」と、ジョセフ。

『お前ら、二度も私の捕食を邪魔しおって』と、空中から声がした。キザイアの声だ。

『フラウ賢者は、我ら死霊の国で、特別に即刻死刑にしてやる。覚えてろ』と、キザイアが言った。

「そんな!!」と、ハザリー。

『ん??そうか、キサマはフラウ賢者の弟子か!ならばフラウ賢者を人質にした方が得策かな??』と、キザイア。

「おい、そこらへんにしとけ、殺すぞ」と、カレルが怒鳴る。

『ブラックナイトに選ばれし小僧、また今度遊んでやる』とキザイアが言った。

「なにぃ!??」と、カレルがぶちぎれる。

 直後、おどろおどろしい雰囲気が消えた。キザイアが完全に去ったのだ。

「り、リゼティクル、生きてるかい・・・???」と、台所に隠れていたアルバートが、宿屋のおかみ・リゼティクルを助け起こして言った。アルバートが、リゼティクルの上に覆いかぶさり、守っていたのだ。

「ありがと、アルバート・・・にしても、恐ろしい日だったこと!!」と、リゼティクル。

「見たかい、あの化け物??地震より恐ろしいよ!!」と、アルバート。

「あなたが邪魔で、化け物なんて見えなかったわ!」と、リゼティクル。

「結局逃げられちゃったね、にしても、奴は何者だ・・・??君たちも何者・・・・??」と、ジョセフ。本物ののジョセフは、まだハザリーたちから自己紹介も旅の目的も聞かされておらず、知らないのだ。

「ジョセフ・ジョン・マササッチョ。それが僕の名前。ほら、これが賢者証」と、ジョセフが賢者証を見せる。ニールセンが確認する。

「贋作ではない。さっきはそこまでじっくり見てなかったが」と、ニールセンが本物であることを認める。

「・・・マササッチョ??あなた様は、バンシーの大河のハク・レンさんの親族ですか・・・??」と、ハザリー。

「おっと、そこまで知れ渡ってるのか。そうだよ、ハク・レンは僕の甥っ子さ」と、ジョセフが言った。

「僕は一族に会いに、この町に戻ってきたのさ!フラウ賢者救出チームとしての任を終えてからね」と、ジョセフ。

「え・・・・!?!?」と、ハザリー。

 ニールセンが、一同の自己紹介と、旅の目的を簡単に話した

「それなら、悲しい知らせがある。実は僕、そのフラウ賢者救出チームに加わっていた賢者の一人なんだ」と、ジョセフが驚

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