第21話 サムライ、亜空間インベントリを手にする
ライラが罠を確認しながら、笑顔で近づく。
「ソースケさん! すごい一撃でした! あんな矢、見たことありません!」
《金ミミック討伐きたーー!》
《弓で倒すとかドラマチックすぎwww》
{宗介様、その弓――ただの重藤弓ではないのかもしれませんね。一度シモン女史に見てもらうのもいいでしょう}
宗介は静かに弓を見下ろし、刃のように鋭い目つきで呟いた。
「この弓の持ち主か……?」
ライラがそっと口を開いた。
「それと……ゴールデンミミックの素材を使えば、亜空間インベントリを作れます。ソースケさん、私にお任せいただけませんか?」
宗介はミミックの素材を見下ろし、首を傾げる。
「……まじっくばっぐ、とやらではないのか?」
宗介とライラは迷宮の出口を抜け、静かな街並みを歩きながら、金のミミック素材について語り合っていた。
「通常のミミックの素材は、マジックバッグのような便利なアイテムを作るのに適しています。でも……金のミミックの素材はその上位版、『亜空間インベントリ』の核となります」
「それは一体、どのようなものだ?」
宗介の問いに、ライラは歩みを止め、目を輝かせて答える。
「亜空間インベントリは、虹装備に合成することで発動するんです。所有者の意思に応じて、必要な装備やアイテムをどこでも瞬時に取り出せるんです!」
「ほう……瞬時にというのはよくわからんが」
宗介は金のミミックの素材を手に取り、その光沢と独特の冷たさを確かめた。
{宗介様、幸運にもお持ちの『源氏の籠手』は虹装備です。この素材を合成することで亜空間インベントリを適用できます}
「……試してみるのも一興か」
ライラは明るい笑顔を浮かべ、小さく拳を握った。
「それなら、早速作業場に向かいましょう! すぐに仕上げます!」
ライラの作業場に到着すると、彼女は作業に取り掛かった。
金のミミックの素材を丁寧に加工しながら、様々な魔法の紋章を施していく。
宗介はそんな彼女の背中を静かに見守っていたが、ふと呟いた。
「……お前は、生産というものが本当に好きなのだな」
ライラが手を動かしながら、少し照れたように答える。
「はい! ものを作るのって、とても楽しいんです。誰かの役に立つものを作れたら、もっと嬉しくて!」
「誰かの役に……」
《ライラちゃんかわえぇ……》
《
《これは有能すぎてファン増えるな》
作業が進むにつれ、金のミミックの素材が次第に輝きを増し、虹色に光り始めた。
ライラは最後の仕上げとして源氏の籠手を取り出し、慎重に合成する。
「……これで、完成です!」
籠手が光を放ちながら宗介の手元に戻される。
宗介が慎重にそれを装着すると、不思議な感覚が体に広がった。
{これで、籠手を通じて、いつでも必要な装備やアイテムを取り出すことが可能ですね}
「ほう……では試してみるとしよう」
修練場に向かう道中、配信ギルドではゴールデンミミック討伐の切り抜きが華々しく再生されていた。
「もうか、早いな……」
「ソースケさんは話題に欠かないですね!」
「いや、俺だけの力ではない……」
「そんな謙虚なところも人気の秘訣なのかもしれませんね」
修練場についた宗介は、さっそく亜空間インベントリを試す。
彼が意識を集中すると、
続けて重藤弓、そして長剣へと装備を切り替えていく。
《装備切り替えのスムーズさが異次元w》
《これでソースケの戦闘幅広がりすぎw》
《まさにサムライの武器庫!》
宗介は満足そうに頷き、籠手を見つめた。
「この技……戦国の世では考えられぬ。だが、今の俺には欠かせぬものだな」
ふと、グリモアが静かに問いかけた。
{宗介様、元の世界に未練はありますか?}
宗介は短く息をつき、目を細めて答えた。
「……それがわからんのだ。この世は奇妙だが住み良い、強者もいて鍛錬にも事欠かん。グリモアに言われ頂点を目指してはいるが、その先については……」
《まぁ頂点つったら殿堂入りだろなぁ》
《それだって大変だからな》
《その時にまた考えれば?》
《この勢いなら言えるランクアップおめ!》
「殿堂……」
{最近殿堂入りしたのはマリンですね。とりあえずは目標に向かって駆け上るが良いでしょう}
宗介は頷くと籠手を静かに外し、ライラに向き直った。
「……礼を言うぞ、ライラ。この籠手、必ず俺の力となるだろう」
ライラは満面の笑みを浮かべ、軽く頭を下げた。
「こちらこそ、作らせていただいて光栄でした!」
《リザルト》
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