雪やなずなを

菫野

雪やなずなを

雪、なずな、小鳥、しまうま、好きなもの、降ってくるのを待っていたこと


使えない言葉ひとつもないような人とは恋の話をしない


こぼされて行方不明になってみるもしもあなたの涙だったら


光合成できないことを悲しんで爪を切るのだやがて死ぬまで


水鳥のペーパーウェイトを中心にデスクが湖になってゆく


ほどかれた少女のわたしの手を追って来たのだと知る冬の野原で


ひかってる雲のしっぽを蝶結びしたらアップルパイを食べよう


覚悟する館みたいに燃えるのを 感情論のなにがわるいの


終末の海へ行こうよもう誰も死ななくなった朝に行こうよ


麦チョコやママにはならなかったけどわたしはたぶん愛になりたい

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

雪やなずなを 菫野 @ayagonmail

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ