物語症候群

花降らし

第1話

症候群:原因不明だが何かしらの問題があること。



「症候群というのは、原因や症状がはっきりとしない疾患に付けられるもの。そのため問診で発覚することができ、そのほとんどが患者によるものである。

有名なものは「不思議の国のアリス症候群」周囲のものとの距離や位置が測り取れず、遠くのものが大きく見えたり、上下が逆さまになって見えてしまう。」

僕はこの文章を見た時とてつもない奇妙さを覚えた。なぜ原因もわからないものに古い物語の題名をつけたのか。何かの「名前」に「固有名詞」をつけるのはとても珍しい物だから。

原因不明のものに奇妙で不思議な物語の名前をつける。これほどに奇妙なことがあるだろうか。」


とあるblogを見つけた。症候群についての記事。完々、奇妙な話や怖い話は好きだったので見てみると意外にも現実思考なものだった。

結局、症状と話の内容が似てただけなんじゃないか?でもそうすると作者はどうやって生み出したのだろう。作り込まれたあらすじと世界観。作者も同じ疾患を持っていたのか?じゃあその頃の作者はどれを現実としていたのか」


この話を聞いた時イギリスのトールキンという作家が書いた「指輪物語」という本を思い出した。トールキンは60年間誰にも指輪物語を見せることなく完璧な世界観を目指した。誰のためでもなく自分のためだけに。最終的には物語の中での通過もでき、エルフという新たな人種も誕生した。エルフの公用語さえも作り出した。

周りの世界とのつながりを断ちひたすらに物語を紡いだ彼はどこの世界を生きていたのだろうか。もう誰にもわからなくなってしまった。」


今回の課題は本を読んで感想を書き、blogを作ること?国語の教師と技術の教師がタッグを組むなんて初めから嫌な予感はしていたけどここまで面倒なことになるとは思

ってなかったな..

結局図書館の隅にあった卒業生?の文芸誌を読むことにするか。今日はラーメンの気

分だったけど無理そうだ。まぁ最終日まで残してた自分が悪いんだけどな。

「課題で作ることにはなったけど作ってるうちに楽しくなっちゃって結局大きなサイ

トつくっちゃったな。まぁ日常 blog みたいなので活用していけばいっか。

ということで今回読んだ話は って言いまーす。」


世界観っていう言葉が難しいというのを視聴者から聞いた。もし自分の世界観があってもそれが他人に受け入れられなかったり、世間に拒まれるとそれはもう「世界」観じゃないのかなって。だから世界観は自分の中に留めておいても世間に出しても結局淘汰されるんじゃないかって。聞いた時なるほどなぁって思ったよ。まぁ唯一の解決

方法は世界を自分の前ではなく紙の上や画面上と仮定して創ることではないかな。」



8月1日完璧なもの作るっていうのはそこに入り込むことから始まる。その世界に入った気になり自分自身が俯瞰する立場からはなれることで世界は生まれるんだ。でもそうするうちにどれが自分かわからなくなる。みんな生きてるうちに人間関係や立場でその場での「自分」をかぶる。まるで服みたいに。でもそのうち本当に好きな服は

何色なのか、初めから来ていたのはどの服なのかわからなくなる。そう、本当の自分ってどれなんだ」



8月7日最近思うんだけど、「見えてるものが全て」っていうのは本当なのかな。もし

病気で目が見えないって人がいてその人からすると真っ暗なのがその人にとっての世

界なんだけど、現実には色のついて形のある世界があるわけじゃん。じゃあ誰から見

た世界が本物なんだろうね。その本物の世界はどんな形をしてるんだろうね。


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物語症候群 花降らし @hanahurashi-831

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