第二章 目覚めと最初の出会い

 森を抜けたつむぎと女の子は、エルナディアと呼ばれる新しい世界の広場に立っていました。彼らの周りには、色とりどりの屋台が並び、多くの異形の生き物たちが賑やかに行き交っています。


「わあ、こんなにたくさんの人たち!みんなどこから来たのかな?」女の子が目を輝かせながらつむぎに尋ねます。


「これは市場のようだね。異世界の市場には、色んな国から来た人たちがいるんだろうね。」つむぎが答えながら、二人は少しずつ市場を歩き始めます。


 その時、突然一人の冒険者が彼らの前に現れ、「初めて見る顔だな。ここはエルナディアの中心市場だ。何を探している?」と声をかけてきました。


 つむぎは少し戸惑いながらも、「実は、私たちどうやってここに来たのかよくわかっていなくて。あなたはこの世界に詳しいの?」と尋ねます。


 冒険者は、にこりと笑い、「もちろんだ。僕の名前はカイル。この辺のことなら何でも聞いてくれ。ちょうど休憩中だったから、少し案内してあげようか?」と提案します。


 女の子はカイルに感謝し、「ありがとう!ねえ、この市場でおすすめのものは何?」と興味津々で尋ねます。


 カイルは案内を始めながら、「この市場では魔法の果物が有名だよ。一つ食べると、一日中元気が出るんだ。」と教えてくれます。


 つむぎと女の子はカイルについていきながら、異世界の文化や物品について学び、新しい友達を作る喜びを知りました。そして、彼らはこのエルナディアでの生活が意外と楽しいかもしれないと感じ始めていました。


 カイルに連れられて市場を散策していたつむぎと女の子は、突然の騒ぎに気がつきました。市場の一角で、人々が恐怖におののきながら逃げ惑う光景が広がっていました。


「何が起こっているの?」女の子がカイルに不安げに尋ねます。


 カイルは真剣な表情で答えます。「あれは魔獣だ。普段は森の奥深くに住んでいるが、たまにこうして人里に迷い込むんだ。」


 つむぎは女の子の手を引き、「大丈夫、カイルさんが守ってくれるよね?」と確認しながら、カイルの後ろに隠れます。


 カイルは剣を抜き、「安心してくれ。僕がやつを退治してみせる。」と言い、魔獣に向かっていきます。つむぎと女の子は遠くから見守ります。


 魔獣は巨大な体と鋭い爪を持ち、威嚇するように唸り声を上げます。しかしカイルは慣れた様子で、敏捷に動き回りながら剣で応戦します。しばらくの攻防の後、カイルは見事に魔獣を倒し、周囲からは歓声が上がりました。


「すごい!カイルさん、本当に強いんだね!」女の子が目を輝かせて言います。


 つむぎも感動して、「ありがとう、カイルさん。あなたがいてくれて本当に良かった。」と感謝の言葉を述べます。


 カイルは微笑みながら、「ここエルナディアでは、こういうことも日常茶飯事だからね。でも、安心して。僕たち冒険者が守ってあげるから。」と答え、二人を再び市場へと案内しました。


 この経験を通じて、つむぎと女の子はエルナディアの危険な面も知ることになりましたが、新しい友人カイルの勇気と強さに心強く思い、さらにこの不思議な世界での冒険に期待を深めるのでした。

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