#67 傑物たち。-転-

 東京都港区という大都会に位置する特級ダンジョン――通称『わにノ門』。

 都会の高層ビル群に溶け込むようにそびえ立つ、高い塔の様なダンジョンだ。

 ちなみに通称の由来は、ダンジョン内に棲息する鰐の様な姿をしたモンスター『アリゲート』から名付けられた。

 

 現在『鰐ノ門』は警戒レベル3が発令されており、国の許諾を得た探索者以外の探索は許されいない。

 九雀はダンジョンの入口で暴れていたすめらぎ久遠という少女の父親を救出するため、その警告を無視してダンジョンへ潜入した。そして警告の理由は、すぐに判明することとなる。


 一階層に足を踏み入れると、その景色は一面うごめくモンスターの群れだった。

 加えてその群れは、体が溶解液で出来た特級クラスの凶悪なモンスター――金色に輝くテラスライム。通称の由来となった『アリゲート』を捕食し、融合と分裂を繰り返して増殖していた。

 その量は凄まじく、地面だけでなく壁や天井にも付着するように広がっている。


「なるほど。こりゃ大変だ」


 九雀はフロアに敷き詰められているテラスライムの大群を見渡しながら独り言ちる。その言葉とは裏腹に、口角を上げてどこか楽し気だ。

 ぺろりと舌を出して眼前のテラスライム達を捉えながら腰を落とし、腰から二本の剣を抜く。

 そして、

 

「――白雷はくらい


 ――バチィッ!


 雷を纏い、テラスライムの群れへと突っ込んだ。

 白く眩い光は、大量のモンスターの間を縫うように駆け抜ける。

 残光が十字を描き、切り刻まれた液状の体が次々とはじけ飛ぶ。その黄金の飛沫は白雷はくらいの輝きによって眩しく瞬いた。

 テラスライム達はフロアを縦横無尽に駆ける稲妻目掛け、溶解液の体を飛ばす。

 しかし、光速の閃光はその全てを躱しながら、地を這い、壁を駆け、天井を突く。

 スライム種の中でも最上種と呼ばれたテラスライムが一匹、また一匹と魔石へ姿を変えていった。

 

 スライムに対抗する常套手段は斬撃か魔法攻撃。ユニークスキル『白雷はくらい』によって雷を纏った斬撃を駆使する九雀は、テラスライムにとって天敵の様な存在だった。


 あっという間に一階層のテラスライムを全滅させた九雀。

 辺りを見渡せば、残されたのは沸き立つ煙と大量の魔石のみ。

 ふう、と一息つくと、両手の剣を腰鞘に仕舞った。


「まあ、この程度の奴には剣二本で十分だな」


〝やば〟


 そこへ、探索ドローンの液晶画面にコメントが映る。九雀はそこで配信中であることを思い出し、視線をカメラへ向けた。


「久遠ちゃん、もうちょっと奥に進んでみるよ」


〝くおんちゃん??〟

〝お姉さんめっちゃ強い!〟

〝特級モンスターの群れを瞬殺ってマ???〟

〝テラスライムを瞬殺って……え?〟

〝かっこいい!何ていうスキルですか?〟

〝てかここドコ?難易度エグすぎん??〟

〝お姉さんランカーですか?〟

 

 九雀の言葉に反応するように、続けてコメントが流れた。

 どれも彼女への質問で、まだ返答していないにも関わらず次々と投下されている。

 それを見た九雀は眉をひそめ、

 

(――久遠ちゃんめちゃくちゃ喋るじゃん……)

 

 入口にいた紫髪の少女――久遠に若干引いていた。

 

 延々とコメントで喋り続けている久遠を一旦無視し、先へ進むことにした九雀。

 しかし、なかなか上階への道を見つけられず。どんどん湧いて出るテラスライムを相手にダンジョン内を彷徨さまよっていた。そもそも救出対象の探索者がどのフロアにいるのかも分かっていない。考えなしで潜入した『鰐ノ門』の探索は、難航を極めていた。


〝てかマジでなんだこのダンジョン……〟

〝テラスライムの量エグくない?〟

〝でもお姉さんが強すぎて難易度が高く視えない不思議〟

〝お姉さんホンマつよい〟

〝てゆーかお姉さんさっきも此処通ったけど大丈夫そ?〟

〝先に進まないの?〟

〝魔石稼ぎしてる感じ?〟

〝もしかしてお姉さん迷ってる?〟

〝感知スキルは無いの?〟


 相変わらず喋り続けている久遠に視線を向けると、どうやら迷っていることを察したらしく心配している様子。

 彼女の父親を助けると宣言した九雀は少し焦りつつ、向けられた質問に返答する。


「あー、あたしスキル一個しか使えなくてさー。でも大丈夫。きっと見つけるから安心して久遠ちゃん」


〝くおんちゃん??〟

〝リスナーネームかな?〟

〝いや多分いつも観てる人がそのくおんって人だけなんやろ……チャンネル登録者も0人だし〟

〝いやまてこの配信内容でチャンネル登録者0人はバグやろw〟

〝せめてその『くおんちゃん』はチャンネル登録してもろてww〟

〝よしオレ今日からくおんちゃんになる!(チャンネル登録ポチッ)〟

〝そうだわ俺くおんちゃんだわ〟

〝くそ!先を越された!俺だってくおんちゃんだぞ!〟

〝なんかくおんちゃんが湧き始めてて草〟

〝お前らテラスライムかよ〟

〝なんかここのモンスターとシナジーあって草〟

 

 現在の視聴者は24人。どうやら久遠以外にも視聴者がいるようだ。

 しかし九雀は配信初心者。観るのもするのも今日が初めてである。

 相変わらず久遠が一人で喋りまくっていると勘違いしており、次々と流れるコメントを見て恐怖を感じていた。そして、

(――お父さんのことが心配すぎておかしくなっているのかもしれない)

 と考え、九雀はこの探索の目的――久遠の父親の救出をより強く決心するのだった。


 そんな中、


「なんだ、あれ……?」


 あるものを見つけ、駆け寄る九雀。

 それは網状にひび割れた地面。その先に、ぽっかりと空いた大きな穴。

 目を細めて凝らしても穴の奥は暗く、底なしに続く闇。何も見えない。


「このダンジョン、塔の姿はフェイクで、実は地下に道が広がってたのか。なるほどな」


〝いや、塔の姿なら上階に上がる階段があるはず〟

〝てゆーかさっきあったよ〟

〝お姉さん!そこ絶対順路じゃない!〟

〝てゆーか接続の可能性あるんじゃないか!?〟

〝元々のモンスターをテラスライムが喰らって繁殖した可能性〟

〝外来種ダンジョンか〟

〝テラスライムの数が異常だし!絶対接続してるでしょこれ〟


 謎の穴、そしてその先へ進もうとしているチャンネル主に、コメント欄は焦りの色に染まり始めていた。

 すると、


「なるほどな、じゃないですよ九雀さん……」


 後方から少し呆れ気味の声がダンジョン内に響いた。

 九雀が振り返ると、そこには白髪の美少年――神式かみじき白虎の姿。急いで駆け付けたのか、肩で息をして俯いている。


〝誰か来た〟

〝誰よその男〟

〝あらかわいい〟

〝イケメンキター!〟

〝ビジュ良ッ!〟


 視聴者たちが色めき立つ中。

 九雀は首を傾げながら問う。


「白虎? なんでここに?」


「すみません、配信観てたんですけど……。九雀さんめちゃくちゃ迷ってるみたいなので……」


「お前まで警告無視したのか? 赤ドローンさすがに怒ってない? 大丈夫?」


「ああ……それなら大丈夫です」


 言いながら、白虎は地面に転がっている黒い物体を取り上げる。

 それはぱちぱちと青白い電気を走らせながら、黒い煙を上げていた。

 九雀は指を差しながら目を細める。


「なにそれ」


「……赤ドローンだったものです……」


「え」


 九雀がダンジョンに突入してすぐ、入口にいた赤いドローンは追跡を始めた。無論、警告を無視してダンジョンへと潜入した九雀を捕えるためである。

 しかし、大量のテラスライムの群れに加え、九雀の超高速戦闘。それについて行けず、巻き込まれてしまったのだ。テラスライムの溶解液を浴び、白雷はくらいによる電撃を受け。現在は完全に活動を停止してしまっている。


〝え〟

〝え〟

〝おねーさん??〟

〝ちょっとまてw〟

〝うおおおドローンさん!?〟

〝え!?赤ドローンが炭になっとるん!?〟

〝お姉さん、警告無視して赤ドロ破壊したん?〟

〝それアカンやつやw〟

〝これ配信してて大丈夫なやつ?w〟

 

 コメントで突っ込まれつつも、九雀は「まあなるようになるよ」と一笑に付す。

 彼女にとっては救助対象を探すことこそが最優先で、その後のことはあまり考えていない様子。

 そんな彼女に、白虎は半ば諦めた様子で首を振った。呆れたように肩をすくめると、その場で膝を折り、地面に手をかざす。すると、周囲が青白く光り輝いた。


「……ダンジョンの全体像が掴めました。救難信号を出している探索者の居場所へ案内します」


「ん!? 今の一瞬で分かったのか? 救難者の位置まで把握出来るなんてすごいな、白虎」


「……こんなことしか出来ない、の間違いですよ。九雀さん」


 そう言って苦笑いを浮かべると、そのまま上層へと先導する。九雀はその背中に視線を送りながら後を追った。

 


 §

 


 階段を上った先――二階層も、テラスライムで埋めつくされていた。

 特級モンスターの大群という地獄絵図に、白虎の顔が引きつる。


「……なんだこれ……。他のモンスターを捕食すると、こんな爆発的に繁殖するのか、スライムって……!」

 

 青ざめ、腰の引ける白虎に対し、九雀は相変わらず涼し気な表情を浮かべる。

 腰から二本の剣を抜き、体に白い稲妻を纏うと――迷いなくテラスライムの群れに飛び込んだ。

 縦横無尽に駆け、次々と切り刻んでいく鬼神の如き戦闘スタイル。その背中を後方から眺めつつ、白虎も魔法スキルで応戦した。

 無我夢中で援護していると、気付けば二階層にいたモンスターはあっという間に片付けらていた。魔石の山で埋め尽くされている景色を眺めながら、白虎はため息交じりに口を開く。


「本当に強いですね、九雀さんは。父さんや兄さんもよく話していました」


「玄武の爺ちゃんと青龍が? でも、お前だって凄いじゃん。そこまでスキルの精度が高い奴初めて見たよ」


「……いえ、全然ですよ。自分でも嫌になるくらい……」


 白虎の言葉に、首を傾げる九雀。笑い交じりに、首を横に振る。


「そんなことないって。今だってスキル四つくらい同時に使ってなかった? そんなのあたしには無理だもん」


「……九雀さん。父さんや兄さんが、今まで僕のことを話したことあります?」


「え? いや、まあ、それは聞いたことないかも、だけど……」


「そうなんです。僕は父さんや兄さんのようにはなれない出来損ないで。神式かみじき家の面汚しなんです」


「いやいや待てって。さっきも言ったけど、お前はあの二人よりもスキルの精度高いし――」


「僕は九雀さんが羨ましいです。僕も父さんに褒められるくらい強くなりたかった」


 嘲笑混じりに言葉を吐くと、そのまま先へと歩を進める。

 背後で九雀が言葉をかけるも、彼の耳には届いていなかった。

 

 そして二人は三階層へと到着。

 同時に白虎が声を上げる。


「いました! 救助対象です!」

 

 壁際でテラスライムの群れに応戦している一人の探索者を発見。

 九雀は白雷はくらいを纏った二本の剣でモンスターをかき分けながら、一直線に探索者の元へと急ぐ。


「大丈夫!?」


「すみ、ません……。ありがとう……ございます……」

 

 九雀が声をかけると、その探索者は力なく返事をした。

 探索用の装備はボロボロで、ところどころ火傷を負っている。

 白虎は床に転がっている魔石を手に取ると、クラフトスキルで医療器具を生成。応急処置を施した。見本も無しに目的の物を瞬時に作り上げる、見事なスキル捌きである。


「久遠ちゃん、この人がお父さんかな?」


 九雀は探索者を映しながら、ドローンに向けて質問を投げる――が、応答は無い。

 それどころか画面は真っ暗で、赤い文字が表示されていた。


『――このアカウントは停止されています』


 謎の画面に、謎の言葉。

 九雀は首を捻り、振り返る。


「やばい白虎。なんか壊れちゃった」


「……それ、垢BANバンされてますね……」


「あかばん? なにそれ?」


「……赤ドローンの警告無視して潜入してるし、配信してたらそうなるか……」

 

 垢BANとは、アカウントを停止されることである。

 配信上の利用規約などの禁止行為に触れた場合などに起き、配信は強制的にシャットダウン。

 九雀の場合、警告を無視して探索するという違法行為を配信していた為、これは当然の処置と言えた。

 

 とは言え、よく分かっていない九雀は困り顔のまま棒立ち。眉を八の字に下げ、口を半開きにし、何度も瞬きを繰り返している。

 先ほどまで生き生きとモンスターを狩っていた姿とはあまりに対称的で、白虎はつい噴き出すように笑った。


「ぷっ、ははは。はははは……!」


「おい、なに笑ってんだよ」


「……すみません。……まあ、このダンジョンにいる救難者はこの人以外いないので間違いないと思いますよ」


 指で目元を拭う白虎。

 九雀はじろりと鋭い視線を送りつつ、その言葉にホッと安堵の表情を浮かべた。


「そっか。本当にありがとうな白虎。お前がいなけりゃどうなってたか」


 一瞬でダンジョンの構造を把握したマッピングスキル。

 戦闘中は魔法スキルで援護し、救助も速やかに行うことが出来た。

 九雀の、嘘偽りない心からの言葉。

 しかし白虎は目を伏せ、首を横に振る。


「僕は大して役に立ってませんよ。もし僕じゃなくて兄さんが駆け付けていたら、もっと早く救助出来ていた筈です」


 半ば諦めたように、ため息を吐く。

 その様子に九雀は優しい微笑みを浮かべ、ゆっくりと首肯を返した。


「分かるよ白虎。近くにすごい奴が居るとさ、つい自分と比較しちゃうよな。自分に無いものばっかり目について、嫌になるよな」


 言いながら、胸に下げた石を握る。

 ウメから貰った虹色の石――超虹石ちょうこうせきである。


「でも真っ先に駆けつけてくれたのは爺ちゃんでも青龍でもなく白虎、お前だ。お前だから久遠のお父さんも見つけられたし、応急処置も出来た。だから助けに来てくれてありがとう、白虎」


 そう言って腰から剣を抜くと、白虎に向けて差し出した。


「……え、なんですか?」


「ご褒美」


「ご、ご褒美……?」

 

「今日のあたしを見てたら分かると思うけどさ、探索って強いだけじゃ出来ないんだよ。だから、多くのスキルを扱えるお前だって爺ちゃんや青龍と同じくらい凄い。よって、ご褒美をあげる!」


「いやいや。これ貰ったら、九雀さん八刀流になっちゃいますけど」


「しょうがないじゃん。これくらいしかあげられるもの無いんだもん」


 白虎は『そもそも剣なんて貰っても仕方ない』――という言葉をギリギリで飲み込んだ。

 ただ、九雀の言葉は――靄のかかった彼の心に、少しだけ木漏れ陽を与えた――。


「大丈夫です。ご褒美なら、もう受け取りましたから」


 そう言って、ご褒美は受け取らぬまま笑顔を返す白虎。

 九雀は理解出来ず、不思議そうに首を捻る。

 

 そこへ、久遠の父が恐る恐る口を開いた。


「……二人とも……あ、あれ……」


 そう言って二人の後方を指差す。

 そこにはモンスターの群れ――残りのテラスライム達である。

 九雀と白虎は身構えながら振り返る。


 しかし。

 テラスライム達は、何故か白虎たちとは反対の方向へ攻撃を仕掛けていた。ある一点に向けて、溶解液を飛ばしている。


 ――ズズズ……。

 

 フロアに重低音が響くと、突如として黒い球体が現れた。軽い振動を起こしながら発生したその闇は、テラスライム達を次々と吸い込んでいく。


 九雀たちは何が起こっているのか分からず、そのまま凝視を続けていると、


 ――シュウゥゥゥゥゥゥゥ……。

 

 あっという間にテラスライムは全て消滅。

 討伐した際の魔石すらも残らず、辺りは静まり返った。


 そして、残ったのは一匹のモンスター。

 頭部には髑髏の顔が三つ付いた、禍々しい見た目。黒い衣に身を包んだ、異様な気配を放つモンスターである。


 「……なんだ、あいつ……?」


 九雀が眉間に皺を寄せながら呟く。

 すると、三つ首の髑髏はその視線を九雀たちへ向けた。

 そしてゆっくりと掌を向けると、


 ――バキバキ……。


 三つ首の髑髏の足元がひび割れ、その地割れが九雀たちへと伸びていく。

 そして、


 ――ズズン……ッ!


「――ッ!?」


 突如、黒い球体が九雀たちの元に発生した。

 軽い振動を起こしながら、闇が全てを吸い込んでいく。


 ――バチバチ……。


 九雀は『白雷はくらい』を使い瞬時に移動。同時に白虎と久遠の父を引っ張り、三人は間一髪回避した。

 白虎は後ろ襟を掴まれ、殆どぶん投げられる形で地面をごろごろと転がる。


「……す、すみません、九雀さん……!」

 

 九雀が居なければ、反応すら出来ずに闇へと飲み込まれていただろう。

 白虎は上半身を起こしながら、感謝の言葉を口にする。

 当の九雀は目を細め、ほんの数秒前に自分たちが立っていた場所へと視線を向けていた。

 発生した黒い球体は既に消えており、地面や壁はその球体の形を沿うように抉れている。

 

「あれに当たったら、ぜんぶ飲み込まれちゃうってことか……? やっばいな……」


 その言葉に、白虎が三つ首の髑髏を見つめながら目を見開く。


「……特級モンスターの群れを簡単に殲滅……いや、吸収……。どう考えてもおかしいですよ、あのモンスター……。あれはまるで――」

 

「ああ……たぶん、あれが噂のイレギュラーだ……!」


「イレギュラーって、ただの都市伝説じゃないんですか……!?」

 

 白虎は青ざめながら、力なく言葉を吐く。

 圧倒的な強さにも拘わらずボスモンスターではなく、ダンジョンを徘徊していると噂のイレギュラー。姿を現したとされるダンジョンも、噂によってまちまちだ。

 当然イレギュラーなど見たことも無く、データも無く。

 白虎に限らず、誰しもがただの都市伝説だと思っていた。

 しかし、ふらりと現れた目の前のモンスターはテラスライムの群れを一瞬で吸収し、こちらへ凶悪な一撃を放ち――。

 データなど無くとも本能的にと、白虎は悟った。

 

 反対に九雀は二本の剣を構え、ぺろりと舌を出す。

 眼前に三つ首の髑髏イレギュラーを捉えながら、後方の二人へ言葉を投げた。


「白虎、久遠ちゃんのお父さんを頼む!」


「く、九雀さんは!?」


「あたしがアイツを引き付ける! その間に二人はダンジョンを脱出してくれ!」



 


  

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