第18話

 爆弾のタイマーが刻々と迫る。赤い数字がゼロに近づくにつれ、高揚感が胸を満たす。この学習塾、俺の才能を潰した。あのクソ教師の顔、爆発とともに消し飛ぶ姿を想像するだけで、興奮が止まらない。

「これで、俺も自由になれる…」

 窓の外には、塾のネオンサインが煌々と輝いている。あの光が、俺の心を苛んだ。奴らは、自分たちの価値観を押し付け、個性なんて認めない。

 カウントダウンが残り数秒。俺は、この場所から離れようとする。だが、足がすくむ。最後の瞬間を見届けたい。

「バーン!」

 爆音が轟き、炎が天に衝く。俺の計画は成功した。


 現場は、まるで戦場だった。焦げ臭い匂いが鼻をつき、瓦礫の山から悲鳴が聞こえる。この惨状を目の当たりにして、捜査官の心は氷のように冷え切った。

「犯人は、この学習塾に強い恨みを持っていたに違いない」

 現場に残されたわずかな証拠から、犯人の動機を探る。防犯カメラの映像には、フードをかぶった男の姿が映っていた。しかし、顔は確認できない。

「絶対に、この男を捕まえてやる」

 捜査は難航するが、捜査官は諦めない。犯人の手がかりを一つ一つ繋ぎ合わせ、事件の真相を解き明かそうとする。


 病院のベッドに横たわり、窓の外の景色を眺めていた。学習塾で起きた爆破事件。一瞬の出来事で、多くの人々が巻き込まれた。

「なんで、こんなことが…」

まだ、心の傷は癒えていない。あの爆音、炎、そして、友達の悲鳴。あの日の記憶が、何度もフラッシュバックする。

 いつか、この事件の真相が明らかになることを願っている。そして、犯人が捕まることを。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

このクソみたいな世界4 鷹山トシキ @1982

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る