なぜ我々は本を読むのが大好きな文学少女の夢を『作家になること』にしてしまうのか?(創作雑談スレまとめ)

奈名瀬

これはDiscordのカクヨム公式運営サーバー内にある創作雑談スレにて議論された創作雑談スレ『なぜ我々は本を読むのが大好きな文学少女の夢を『作家になること』にしてしまうのか?』のまとめである。

【現時点でのまとめ】なぜ我々は本を読むのが大好きな文学少女の夢を『作家になること』にしてしまうのか?


☆その他の職業を選ぶことは可能か?また、選ぶならどんな職業か?

・司書、あるいは全く関係のない職業に就く


☆作家が本が好きで、執筆をするから文学少女(キャラクター)が影響を受けている

・登場人物の自己投影によるもの。リアリティラインも上がるし、登場人物の解像度も高まる

※ただし、マンガ作品の文学少女はこれに当てはまらない(漫画家の描く文学少女が作家になっても、マンガ家の自己投影とは言い切れない。クリエイターという大きな括りで共通点が無いとは言えない)


☆文学少女が作家になるという流れはゴールラインがわかりやすく、物語りにしやすいためではないか?

受け手(静)から作り手(動)という変化もわかりやすい

文学少女が読書家というステータスをそのまま伸ばしても物語り的な変化に欠ける?

※文学少女が本を読むだけだと地味で小説映えしないから変化をさせたくなる?


☆本好きをどう物語に組み込むか

※本好きがこうじて、読んだ物語に憧れて作家以外の道に進む登場人物もいる

例:工藤新一はミステリー小説であるシャーロックホームズに憧れて作家ではなく探偵になる道を選んだ(なお父親は作家)

・工藤新一は文学少女ではないが、本が好きで読書家というステータスを持ちながら、作家になる道を選ばなかった一例として

工藤新一いわく「俺は探偵を書きたいんじゃない、なりたいんだ。平成のシャーロック・ホームズにな」


☆本好きとミステリーは相性が良い?


☆文学少女、本好きという特性をどのように物語に組み込むか?

・主人公や他の登場人物に『本が好き』という共通点を持たせて物語に組み込む

例:主人公が本が好きで、ヒロインも本が好きだったので、それがきっかけで仲良くなる


☆アンチテーゼとして「なぜ文学少女は作家になりたがるのか」みたいな物語を描けば面白いのではないか?


☆本が好きな文学少女はキャラクターとしての記号、特徴として扱いやすいのではないか?

・本好き=知識の象徴や物語のブレーン的なポジションを与えやすい?

例:文学少女シリーズや古典部シリーズ、あるいは涼宮ハルヒシリーズなどなど


☆本を読むのが好きなら『本を読むのが好き』という設定にした方が一貫性があるのではないか?


☆実は『本好きが作家を目指す』というストーリーラインの物語は少ない?

例;『耳をすませば』など

※主人公がすでに作家という作品は多々あるイメージ


☆『本を書くのが好き』と『本を読むのが好き』は『料理を作るのが好き』と『料理を食べるのが好き』くらい違うのでは?

※本好きの中でも本を書こうと思う人は少数派、ならば書かない本好き(読者)にとって、作家になりたいと思う文学少女は共感性が低くなるのではないか?

・物語の展開や文学少女自身に変化を与えられる設定ではあるが、描く側に回るという夢は読者の共感を得にくいかもしれない

・しかし、『何かを目指して努力する』という最大公約数的な共感を与えることは可能(スポーツ作品は大部分がこの形)


☆創作家、小説を書く人=変人のイメージ?


☆文学少女としての記号やアイテムの話

※文学少女は内向的でメガネのイメージがある?

・作品によっては眼鏡のない読書家キャラも多数いる

・人物造形によって差はあるが文学少女としてのテンプレートなイメージからは大きく外れないかもしれない


☆文学少女(パブリックイメージ)にありがちなテーマについて

・物語開始時点で人間関係や社会、コミュニティから孤立している

・本の話題以外のコミュニケーションに難がある

・本や物語への優先度、依存度に一般人と乖離している部分がある……などなど


☆文学少女と夢の大まかな分類

A作る側

B受け手側

の大きく二種類に分けることができ、さらにそこから

A1…作家など直接物語に関わる

A2…編集など間接的に物語に関わる

B1…本に関わる(司書や本屋の店員、翻訳家など)

B2…本とは関係のない仕事に就き、趣味として本を読む


☆元々○○を目指していたけれど、方向転換のような形にすることでキャラの深掘りを簡易的にできないか?

・文学少女が作家になるという流れに比べて、それ以外のルートは『何故作家を選ばないのか』というキャラクターを深掘りするコストがかかるため扱いにくいのではないか?

・本来○○になりたかったが、××になったというのはサブキャラに多い印象がある


☆文学少女を辞書で調べてみる

・文学を愛好する少女。また、文学的雰囲気や夢想・幻想の世界を好む少女。

・文学を趣味とする少女。

・読書や執筆を趣味とする少女を意味する語。

辞書の中でも文学少女は広義の意味として扱われており作品を執筆しない子を文学少女とは呼べないという定義は難しいと思われる


☆pixiv百科事典などで『文学少女』を調べる

・作家を目指した子、もしくは作家を目指さなかった子、またすでに作家になったが文学少女として紹介されている子がいた

・作中で登場初期にだけ文学少女として紹介され、後にそういった一面が描写されなくなったキャラクターも少なくない


☆12月17日『なぜ我々は本を読むのが大好きな文学少女の夢を『作家になること』にしてしまうのか?短編小説コンテスト』をスレ主が開催

・3名の審査員による2000文字以内で書かれた『文学少女に関しての短編コンテスト』


☆『「本を読むのが好き』とはどういうことか考えていないから作家にしてしまうのでは?』

・文学少女の夢が作家や司書といった進路に偏るのは当然のことではないか

・文学少女が『本を読むことにアイデンティティを見出している』あるいは『そのようなキャラ付けをされたということ』を示している

・現実の世界で文学少女と言われる人が『本が好きなことをアイデンティティ』にしていない人が大半であるが、『文学少女』として描かれるならば作劇上、確かな意図をもって『本が好き』というアイデンティティが描かれたり『作家になること』や『本に関する道を選ぶ』ことが自然なのではないか?


☆作家になる文学少女には『空想少女』としての認識があるのではないか

・本を読むことが好きな少女の中で、自分の世界(創作として表現し得る何か)を持つ子が作家を目指すのではないか?


☆文学少女の分類

・細分化するよりも『作家を目指すか、目指さないか』の共通項である『本を読むのが好きな少女』で大きく括り、細かい部分は好みや派生的な文学少女として扱うのが良いのではないか

・『読む』『携わる』『書く』という3つの本に対するアプローチの仕方でも文学少女を分類できるのではないか


【12月21日時点でのまとめ】

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