色を塗り替えた地球

@smiling

色を塗り替えた地球

昔、宇宙には無限の星々が輝き、惑星たちはそれぞれの色で美しく輝いていました。その中で、太陽系にある地球は特に美しく、緑と青が交じり合った色をしていました。青い海と緑豊かな大地が調和し、生命が息づく星として、特別な存在だったのです。

しかし、時が経つにつれて、地球の緑は少しずつ減っていきました。人間が作り出す都市や産業が、地球の大地に影響を与え、自然の緑が姿を消していったのです。その代わりに、青い海の色がより深い青に包まれることが増えました。

宇宙には一人のアーティストがいました。彼は「宇宙の絵描き」として知られており、宇宙全体をキャンバスに見立て、惑星たちの色を塗り替えることができる力を持っていました。彼は長い間、地球の変化を見守ってきましたが、地球が失われつつある緑を取り戻す方法を考えていました。

ある日、彼は自分のパレットを取り出しました。パレットには、星々の色が並んでいます。赤、青、緑、黄色、そして白。彼は静かに筆を取ると、宇宙の広がりを感じながら、地球の緑を取り戻すために色を塗り替え始めました。

まず、地球の大地を深い緑で覆うことにしました。彼の筆がキャンバスに触れるたび、枯れた大地が蘇り、緑の森が広がり、花々が咲き誇り始めました。次に、彼は青い海にも新たな命を吹き込みました。海の中には、輝く魚たちが泳ぎ、珊瑚が色とりどりに美しく広がり、海の世界も再生しました。

「このままではいけない」と彼は思いました。緑が増えすぎると、青の美しさが失われてしまうかもしれないからです。そこで彼は、海の色をほんの少しだけ青く、深くすることにしました。すると、地球は完璧な調和を取り戻しました。緑と青が互いに引き立て合い、まるで新しい命が息吹を吹き返したようでした。

彼は微笑みました。自分が塗り替えた地球は、以前の美しさを超えて、もっと輝いて見えたからです。しかし、ふと気づきました。地球が元に戻るためには、人間がその美しさを守り、育てていくことが必要だと。

宇宙の絵描きは、もう一度パレットを片付け、静かに言いました。「これは、皆の手にかかっている」その言葉は、広がる宇宙に響き渡り、地球を守るために新たな決意を持った人間の心に届きました。

そして、地球は再び美しい青と緑の星として輝き続けたのでした。

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