第39話
「それで続きは?」
「……うん。中学、高校は美術部だったの……絵を描くのが好きで、インテリアも本当はデザインの方に進みたかったんだけど留学費用が難しくて……趣味は映画鑑賞と……漫画かな」
「なるほど……恋の好きな映画と漫画のジャンルは?」
「えぇっと……映画はミステリーで、漫画は少年漫画と少女漫画両方……最近は少女漫画多めで……王子様みたいな人といきなり結婚前提に交際始まるのとか読んでて……えっと」
気恥ずかしくて口ごもった私を見ながら修哉がすぐにククっと笑った。
「修哉?」
「まるで俺たちみたいだなと思ってさ。いきなり結婚前提の婚約者だなんて」
「そ……そう言われてみれば確かに」
私も修哉につられて思わずクスっと笑う。
「恋は笑ってるのがやっぱり可愛いな」
「っ……!!」
涼しい顔を平然とそんな甘いセリフを言ってのけてしまう修哉は、本当に漫画から出てきた王子様そのものだ。
「どうした?」
「修哉って……その誰にでもそのそうなのかなって……」
「そんな風に見えたなら心外だな」
修哉の大きな手のひらが伸びてくると私のグラスを握る手のひらに重ねられる。
「何度でも言うよ。俺は恋に一目ぼれした。それも生まれて初めて。俺は恋の生涯のパートナーになりたいと思ってるし恋を生涯支えたいと思ってる。この気持ちに嘘偽りはないよ」
修哉の真剣な瞳をみていれば修哉の用意した恋の沼にあっという間にはまって抜け出せなくなりそうだ。いや、すでにもう私はその沼に踝くらいまでは嵌まってしまっているのかもしれない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます