第9話 星の下
しん、と静まり返った寒空の下にいる。鼻先の体温は穏やかに吹く風に連れ去られてしまって、少し痛い。
体温が失われてもなお見上げるは、煌々と輝く星空である。南の空にはオリオン座。歪な形に歪んだ四角形の中に輝く、三連星は一番右端の星が些か輝きを僅かに失ってすらいた。
オリオン座の左上に位置するベテルギウスと、こいぬ座のプロキオン、おおいぬ座のシリウス座が冬の大三角形を成す星空。
星空を見上げて『はぁ』と感嘆の息を吐けば、その熱を形作って星空の下を揺蕩って消える。
幾億年の光を、貴方も見上げてくれるだろうか。あの日、私を見付けてくれた様に、貴方の人生に私は今も居るだろうか。
輝きを失った星々と貴方に想いを馳せながら、私は今日も星の下で生きている。
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