第8話 古い私
謹賀新年、明けましておめでとうございます。本年もどうか宜しくお願い申し上げます。
さて、古い私の調理方法は如何致しましょうか?
手と舌は煙草臭くて食えた物ではございませんね。破棄してしまいましょう。
腕は漬け込みさえすれば、多少の煙草臭さを和らげる事が出来る事でしょう。
脚は脂のノリも良く、適度に鍛えておりますので食感が宜しいかと思います。オススメするなら右脚でしょうか。
腹と尻は脂身が多いので、どういった調理が好ましいか難しい所ですね。カツにしてしまって、肉汁を閉じ込めてしまうのが一番でしょうか。
それから胸。刺身などは如何でしょう?舌の上で蕩けて無くなってしまう気がしております。
メインディッシュは古い私の、心臓など如何でしょう。
ほろ苦い甘味を御提供出来る事、間違いないです。
古い私を御賞味あれ。
これからの私は、沢山の新たなスパイスを浴びて、貴方に御賞味頂ける日まで過ごしたいと思います。
さようなら、古い私。
こんにちは、新しい私
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます