【六魔天駅】 六人の魔王(続き)
虎王を攻略した祥観達。
階段を上った先にあったのは、地下通路だった。
タッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッ…………
「また、この通路に戻っちゃったね。まさに、ダンジョン駅だよ」
「まぁ、祥観。ループするのも面白いよ!」
「…………そうだね、レミング!」
祥観達三人が歩いているとたくさん悪魔娘が現れた。
ガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤ…………
「ううん?」
タスッ!
足を止めた祥観は、一本角の悪魔娘と青肌の悪魔娘と羊の角の悪魔娘の話をこっそり聞いた。
「オレは、板で潰されて死んだからなぁ」
「あたしは、血袋に」
「わたしは、魂抜かれた」
「まぁ、玉兎王のおかげ助かったよ」
「何の話?」
「いや、魔王様の会議の話だ。気にしないでくれ!」
「ああ、解った」
ガスッ!
「ええ?」
祥観は、後ろ向いた。
何と、そこにはレミングがいた。
「まさか、ナンパ?」
「そ、そんなことはないよ! そんなことない!」
「してたよねぇ? してたよねぇ?」
「レミング、祥観、早くしないと置いてくよ!」
「置いてく? あ、ああ。祥観、一緒に行こう!」
「あ、ああ」
タッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッ………………
祥観とレミングは、ハートを追いかけた。
その後、三人は、エレベーターに乗って次階へ行く。
グウゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッ!
ティンッ!
一階に着いた。
しかし、着いたのは、滝壺の部屋ではない。
上下前後左右外が見渡せる、金網の部屋だった。
そこには、あぐらをかいて座っているモンスター娘がいた。
彼女は、黒いたてがみと黒い胸毛と黒い肌と細長い黒の尻尾で、爆乳の裸マントだ。
すると、黒いたてがみのモンスターが立ち上がった。
「我が名は、獅子王。大四魔王である。さっきまでは、よくも、我が同士を酷い目に遭わせたなぁ。しかし、それもここまでだ。我のおしりを触れ。それが出来れば、通ってもよい!」
話しが終わると、獅子王は右手をパーにして左肩に置いた。
すると、レミングが、薬指と小指を立てて祥観に合図をする。
「うん! 解った!」
バササッ!
祥観は、魔法を発動する前に獅子王のマントの下に隠れた。
「大天魔術『ナパームライオン』」
「チェンジ!」
ブユンッ!
ババババババババババババババババババババババババババババババババババババババ……
獅子王は、何発もの爆発を金網の那賀で起こした。
そして、爆風は、徐々に静かになっていく。
バッバッバッバッバッバッバ……………………………………………………
「我だけ、本気を出せるとは、卑怯なものだ。だが。全ては、玉兎王のため………………」
ムニュン!
「ううん?」
バササッ!
獅子王は、マントをひるがえした。
何と、そこには祥観の姿。
「おしりさーわった!」
「く、我の負けだぁ………………」
獅子王は、マントを脱いだ。
すると、そこから蜘蛛が二匹やって来る。
「チェンジ!」
ビウン!
蜘蛛が姿を変えた。
「ええ? レミング、ハート?」
「ありがとう、祥観!」
「獅子王の即死魔法でやられたんじゃないの?」
「マントがシェルターになってた。どうやら、魔王のマントは、即死魔法を防げ。まぁ、零距離から魔法を放てば、マントでも防げないけど」
「それ,どこで知ったの?」
「虎王からマントを奪って地下通路で実験した。それで、解ったよ」
「レミングは、盗みもやるんだね」
「まぁね」
マントの秘密を教えたレミング。
その話し終わった後、ドア開いた。
ガタンッ!
しかし、倒れるように開いたドアは金網の奥。
今の状態では、入れない。
「レミング、お願い!」
「チェンジ!」
ビウンッ!
レミングの魔法で蠅に変身した祥観達は、階段に向かって飛んでいった。
ブウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーンッ………………………………
シッ!
「チェンジ!」
ビウンッ!
祥観達は、蠅から元の姿に戻った。
三人がやって来たのは、六魔天城の二階。
柱がたくさんあった部屋である。
しかし、あるのは、大きな浜辺と大きな海。
魔王城の中にしては、不自然なくらいの広さである。
ザザーーーーーーーーーーーーーー…………………………
ザザザザーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー…………………………
波打つ音が聞こえる浜辺。
その音と共に、遠くから白い翼を生やしたモンスター娘がやって来た。
白いショートヘアーと白い肌をしたスレンダーのモンスター娘である。
「はぁあ! はぁあ!」
バサンッ!
白い翼のモンスター娘が岩に降り立った。
そして、祥観達の方を見る。
「わたしの名は、
ビユンッバサアァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッ!
鴎王は、岩を離れて空を飛んだ。
そして、左手を胸に当てて歌い出す。
「『大天魔術『水難独唱』」
スウッ!
「ハァア~~~~~~~~~~~♪アァァァ~~~~~~~~~~♪アア~~~~~~~~~~♪ハァアアァァァ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♪」
「あ…………ああ………………」
「体が………………海に…………………………」
「うう………………ううう…………………………」
ザサッ……ザサッ……ザサッ……ザサッ……ザサッ………………
歌で操られた祥観達。
海に入ってしまえば、不死の能力といえども脱出は出来ない。
レミング、危うし…………………………と思ったその時!
ズザアッーーーーーーーーーーーーッ!
「うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
バタバタバタンッ! ザバンッ!
レミングが、クラゲで足を滑らせてドミノ倒し。
「うぅぅぅぅぅぅぅぅぅ……………」
「何だったんだろう?」
「二人共、正気に戻ってる…………よおっし! メタモルフォーゼ!」
ビユンッ!
「ワン!」
鴎王の魔法を解いたレミングは、ブラックドッグに変身した。
「黒髪で犬耳のレミング。何か可愛い!」
「イメチェン?」
「鴎王を倒すためだよ! テレポート!」
ビユンッ! ガシッ!
「ハァアアァァァ~~~~~~~~~~♪」
「歌に夢中で気づいてないなぁ。では、これでどうだ!」
ベシーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッ!
「ハァア…………うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ………………」
レミングは、割れるほど強くおしりを叩いた。
そして、強い痛みと共に、鴎王は海へ落ちて行った。
ザバーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッ!
「さすが、レミング! ブラックドッグの瞬間移動と空中浮遊の能力を上手く使ったわね!」
「本物のブラックドッグより強いかも!」
「まあな、犬御徒あの時は、本気出して欲しかった。無双と言うのは、あっという間だよ」
ブクブク…………ザバーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッ!
ガタンッ!
海から、扉が浮かび上がって勝手に開いた。
しかし、なぜだろうか?
プカプカと揺れているのに、ひっくり返ることがない。
だが、三人はそれを気にすることなく扉へ向かった。
ザバザバザバザバザバザバ…………………………ガッガッカッ!
不思議扉よりも、先へ進むことが優先なのである。
ガッガッガッガッガッガッガッガッガッガッ! カッカッ!
祥観達は、月光に照らされた階にやって来た。
そこには、獅子王が言っていた玉兎王がいる。
彼女は、白いうさ耳と白いロングヘアー、白い胸毛と白い肌、赤い目と爆乳と裸マントをしていた。
どうやら、これが玉兎王の姿のようだ。
「よく来たなぁ。冒険者ども。お主ら知っての通り。わたしは、玉兎王。大六魔王である」
「それにしても、三階にしてはスースーするね。ここは、三階なの? 」
「そこに、小石がある。投げてみろ!」
「うん! 解った!」
祥観は、言われた通りに小石を投げた。
カラッ……カラッカラッカラッ………………カラッカラッ……カラッ……………………
「こ、小石が小さくなった?!」
「ここは、三階出なく屋上。落ちたら即死の場所だ。もう、獅子王や鴎王のような、ぬるいバトルはここまでにしよう。今からが本気のバトルだ、かかってこい!」
「本気だね。解った!」
シウンッ! ギウッ!
玉兎王に従ったレミングは、背後からおしりを握り締めた。
「大天魔術『
ビジョンッ!
「ぐうおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ……」
背後から魔法かけられた玉兎王は、血を吐き出しながら前に倒れていった。
それと同時に、空の月が新月へと変わっていく。
ダンッダンッサンッ…………………………
「…………………………………………………………………………………………………………」
玉兎王の呼吸が止まった。
と、その時。
シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーー………………
「ううん?」
「全裸エルフと同じようだね」
新月から満月に変わる同時に、玉兎王の体がみるみる再生してきた。
そして、再生が終わると、玉兎王が立ち上がる。
「わたしは、月があれば生きてた状態まで時間を戻せる。即死魔法など効かんよ!」
時間を戻す力。
それは、レミングも恐れていた能力でもある。
しかし、玉兎王の復活は、祥観達にとってはチャンスでもあったのである。
レミングは、玉兎王の後ろで、二つの拳を上に出した。
そして、祥観は、親指の小指を立てて合図を送る。
「いぞおぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
ダッダッ! ズウンッ! グサッ!
「グハアッ………………何度殺しても無駄だぞぉ!」
「うううん……おりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃ!」
ズボーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッ!
ブシャアァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッ!
「ぐうおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ…………………………」
祥観は、玉兎王を槍で刺す。
そして、ハンマー投げのように外れるまで回した。
それにより、玉兎王は、血を噴き出しながら屋上から落下したである。
「よっと!」
「お疲れ、祥観!」
パスンッ!
玉兎王に勝利した祥観は、レミングとハイタッチ。
これで、玉兎王が復活しても戦うことはなくなった。
本来なら、魔王倒して終わる旅。
しかし、祥観達は魔王を倒すのがゴールでわない。
祥観達の旅のゴールはその後なのである。
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