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鳳凰ノ導線編
【水名紋駅】 ダンジョン初心者はスライム無双から
とある駅の中。
長い階段の下で、魔法少女とアルミラージが青い小さなスライムと戦っていた。
ブチャアッ! ブチャアッブチャアッブチャアッ!
ブチャッブチャッブチャッブチャッブチャッブチャッブチャッブチャッブチャッ!
ブチャアッ!
「何でだぁ、! どれもザコばっか! もっと強い奴と戦わせろ! 強い奴! 強い奴!」
金のショートヘアーと黒いローブと白いワンピースと黒い水着ををした爆乳の魔法少女。
彼女の名は、セブンダウナー・レミング。
胸元の逆三角形と四角形の紋章を力とする魔法少女である。
彼女は、強い敵が来ないことにいらだっていた。
その腹いせなのか、弱いスライムを無双している。
「叫んでも無駄よ。このダンジョン駅は、弱いモンスターしか現れないわ」
レミングの後ろにいる、アルミラージ娘。
青い体毛と赤紫色の肌をした彼女は、両腕で爆乳を抱えていた。
彼女の名は、ユース・ヒーリング・ハート。
胸元に十字が入ったハートの紋章を持つモンスター娘だ。
「強い奴は、どこなんだ?」
「だから、いないの!」
チンッ!
「ううん?」
レミングは、後ろエレベーターを見た。
そのドアが開いて、天女ヘアーの女の子が現れる。
「やっとついた…………推しに会えるか心配だよ………………」
「いたぞ! 強いのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
天女ヘアーの女の子は、慌ててエレベーターに入ろうとした。
しかし、エレベーターはすでに閉まっていて入ることが出来ない。
パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチッ!
パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチッ!
「えっ何で開かないのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ! 」
天女ヘアーの女の子は、ボタンを連打する。
それでも、エレベーターは、開かなかった。
キャリン……………………
「ううん?」
天女ヘアーの女の子は、後ろを向いた。
なんと、白いタイルの上にナイフが落ちているのだ。
「見た頃、武器は無い。僕のナイフでかかってこい」
と、その時!
ゴズゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーンッ!
「ヴオッ…………………………」
「何言っているの? 彼女は、新人の冒険者よ。新人には、優しくしないと! 」
「…………そうか、そこの天女。名前は何だ?」
「
「いい名前だ。僕についてこい。祥観は、僕が守る」
レミングは、祥観の腕を引っ張った。
そして、三人はホームへ移動する。
祥観達は、ホームにやって来た。
看板には、『水名紋』と書かれている。
現実世界で見慣れない駅名だ。
「ねぇ、ここは吉祥寺から行ける駅なの?」
「吉祥寺? 異世界の駅?」
「吉祥寺が異世界? 異世界と言うことは?」
「六魔天ノ国のダンジョン駅」
「ダンジョン駅? 新宿駅とか、東京駅とか?」
「おお? 祥観、ダンジョン駅、解る?」
「道が複雑に入り組んでいる駅のことでしょう?」
「モンスター、いる?」
「モンスターはいなかなぁ……けれど、お店がいっぱいあったりするよ」
「僕が知っているダンジョン駅とは違う」
「ええ? どう言うこと、レミング?」
「この国のダンジョン駅は、モンスターが出てくる。金になるモンスター。そのモンスターが、強ければ強いほど儲かる。僕の仕事は、それ!」
「だから、戦っていたのね!」
「しかし、ここのホーム。どこもモンスターいない。次の階、行く」
「待ってーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
レミングは、祥観の腕を掴んで三階へ行った。
その後を、ハートが追いかける。
三階についた。
エレベーターは故障していて乗れなかったため、代わりに階段で移動した。
三階には黄色いスライムがたくさんいる。
ウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャ……
ウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャ…………
ウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャウジャ……
「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……小さいけれど怖い。こんなの、吉祥寺に出たら大事件だよ………………」
「祥観、それを使え!」
ビュンッ! バスッ!
「なにこれ…………」
「ナイフと棒で出来た槍。スライム、串刺し弱い。思う存分戦え!」
「解ったよ!」
シユンッ!
「おりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
グサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサ!
ビシャッビシャッビシャッビシャッビシャッビシャッビシャッビシャッビシャッ!
ポワアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーンッ……………………
祥観の活躍により、スライムはオーブ変わった。
そして、そのオーブをレミングが吸収する。
シウン…………………………
「次、四階。行くぞ!」
「うん!」
四階についた。
ここでも、移動は階段を使用。
四階には、赤いスライムがたくさんいた。
「おりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
グサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサ!
ビシャッビシャッビシャッビシャッビシャッビシャッビシャッビシャッビシャッ!
ポワアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーンッ………………
ここでも、祥観の活躍によりスライムは、オーブに変わった。
そして、そのオーブは、レミングの吸収される。
シウンッ!
「祥観、ありがとう!」
「どう、いたしまして!」
ガランッ!
「ううん?」
二人がお礼を言っている間に、ハートが赤くて丸い石を拾った。
「これ、何かしら?」
「なんだこれ?」
「ううん?」
祥観は、後ろの窓際の方を向いた。
そこには、腹がくり抜かれた裸婦像がある。
「あの、お腹にはめ込んだら?」
「いいわね、祥観!」
ダンダンダンッ!
ギュウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ……
グリグリグリグリ……キュッ!
「はまったよ!」
ドンッ!
ハートは、窓から下を見た。
なんと、ホームとホームの間にオレンジ色の巨大スライムがいるのだ。
「レミング、祥観。強いのが来たわ!」
「本当に……来た?」
「早く行こう!」
「おお!」
三人はレミングを先頭に、階段を駆け下りた。
三番乗り場に戻った。
よく見ると、線路のホームの間にホームドアがある。
どうやら、丸い石を裸婦像に埋め込んだからのようだ。
「ううん? あれを見て!」
「ううん?」
「うん?」
ジュルジュルジュルジュルジュルジュルジュルジュルジュルジュルジュル……………………
レミングとハートは、5番乗り場の方を見た。
オレンジ色にドロドロしたものが、ホームドアをまたいで移動している。
「あれが………………」
「この駅のボス!」
「うん!」
トットットットットットットットットットットットッ!
三人は、点字ブロックの前に移動した。
そして、レミングがホームドアを右手で掴む。
「バラバラクラッシュッ!」
ボバアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーンッ!
「よしっ!」
レミングの魔法で、ホームドアの破壊に成功…………かと思ったら。
ガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラ……
「ええ?」
グラグラグラグラグラグラグラグラグラグラグラグラグラグラ…………ゴトンッ!
なんと、ホームドアが再生して元に戻ったのだ。
「うーん…………………」
レミングは、考えた。
自分の経験上では、開いているドアを利用して一ホームに一人ずついれば巨大スライムを倒せる。
しかし、祥観を確実に成長させるには効率が悪い。
「ううん!」
レミングは、改めてホームドアを掴んだ。
そして、呪文を叫ぶ。
「バラバラクラッシュッ!」
ボバアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーンッ!
「今だ、祥観!」
「ああ、うん!」
グルンッドサッ!
ドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッ!
ドサッ!
祥観は、ホームから飛び降りて、線路を二つまたいだ。
そして、開いているホームドアを通って巨大スライムの所にやって来た。
「ブルルルンッ!」
シュルウンッ!
「うわっ!」
ビュンッ! スタッ! グサッ!
「ふうぅぅぅぅぅぅぅぅ……………………」
祥観は、巨大スライムの下段払いをジャンプで回避。
それと同時に、スライム天辺を貫いた。
「ブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブル……」
「まだ、動いている……早く倒さないと…………」
ブシャッ!
祥観は、槍を高く上げた。
そして、思いっ切りブッ刺す。
「おりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃ!」
ブシャッブシャッブシャッブシャッブシャッブシャッブシャッブシャッブシャッ……
「ブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブルブル……」
「おりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃ……」
ブシャッブシャッブシャッブシャッブシャッブシャッブシャッブシャッブシャッ……
ブシャーーーーーーアッ……………………
「ブブブ……………………………………………………………………………………………」
ブルブルだったスライムの体は、シャバシャバのジュースのような姿に変わった。
ドンッドンッ!
「やったか、祥観!」
「やったの、祥観?」
「うん!」
すると、シャバシャバのジュースのようなものがミルミルと消えていく。
シウンッ………………
パアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーンッ……………………
シウンッ!
オーブに変わったシャバシャバは、レミングの体に吸収された。
「ダンジョン駅、クリア!」
「後は、鳳凰ノ導線ね」
「鳳凰ノ導線?」
「新人には、解らないようね! 鳳凰ノ導線は、ここを通る電車よ」
ハァァァ………………グウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーーーーーーンッ!
「もうそろそろ来るようね!」
ギイィィィィィィィィィィィィィィィィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッ!
シウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥンッ……………………………………………………
祥観とハートが話している間に、オレンジ色の電車がやって来た。
その電車は、中央線の四倍ぐらいの大きさで、鳥の羽根ががラッピングされている。
「では、レミング、お願い!」
「うん!」
トスッ! ポーーーン……
ガガーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー…………………………
「えっどうやってドアが開いたの?」
「魔力パス。ここの電車、魔力を支払わないと乗れない。魔力は、金になる」
「なるほど、魔力があればどこでも行けるんだね」
「ああ。ささっと乗れ。電車、乗れないぞ」
「ああ、そうだった乗る乗る!」
ガタンッ!
シウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーーーーーーー………………………………
こうして、祥観達のダンジョン駅巡り旅が始まった。
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