ビセア

クルッポー

プロローグ

「おい〜?桐生君〜?ま〜だそんな仕事も終わってないの〜?ほんっと手間がかかるなぁ。私帰るからさ!明日までに私の机に終わらせたそれ,置いておいて、じゃ!残業よろしくね〜」


「あ、ちょっとまっ」


追いかけると既に上司の姿は消えていた


クソッタレ!許さんぞ年功序列!


見ての通り、俺は上司に仕事を押し付けられ毎日が残業日和


…辞めるかっ!


「大丈夫か?」


ワークスペース内に設置されたコーヒーが俺の机に置かれる。


「あっ、先輩…」


「今日飲みに行くって約束してたけど…」


「…」


「…またか…」


「…はい」


「…はぁ〜…」


先輩は顔を少し青ざめ、どうしたものかと言いたげな表情をしている。俺が転職を踏みとどめているのは先輩の存在だ。


「…よーし!俺も手伝う!だからとっとと終わらせて飲もうか!」


「はい!ありがとうございます!」



『「ジジッ…ジジジッ…え〜今週S区区内にて、野良猫の爆発的な増加が目立っており交通事故が多発しています。今回、野良猫の生態研究科の鳥山先生をスタジオにお呼びいたしました。」「こんにちは」「鳥山先生、これについてお願いいたします。」』


数時間後,見事仕事を終わらせ,居酒屋にて先輩と日本酒を仰いでいた。


「桐生さ。わざわざノンアルにしなくてもコーラとか飲んでも僕は構わないよ?」


「ん〜…自分、伝統に重き置く系の日本人なんで。キリッなんつって。」


キリッとポージングをつけてあげて先輩に振り向く。


「ふふ、面白いこと言」


キィィィィィィィィィッッッッッッッッ‼︎‼︎‼︎


「えっ」


人は呆気く命を散らす。人間50年、俺は半分もいけなかったな。


体に強い衝撃が走るのと同時に体のいたるところが冷たくて冷たくてしょうがない。

…あるれ?どるどr気持ち良るくてkた!アハハアハハアハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ


縦横無尽にサイレンの音がやかましく鳴り響く。

「S区3丁目37番地の居酒屋に火災発生!直ちに消化活動に入る!」

「生存者の確認っ!直ちに救出します!帰路の確保を頼みます!」

「火元を発見!車両とガスの衝突が原因と見られます!」


『ジジジッ…ジジッ…ジッ「そうですね、こういった現象は過去に不定期ですが何度か起こっており,私たち研究家の中ではこの現象を猫集会と呼んでおり,遺伝子による習性という意見が最も有力な説であるとされています。」「ありがとうございます。では鳥山先生には……………………ジジッ………ジッ』


プツン__________命の繋ぎが切れた音がした。





「わーい!今日はオルト兄とのデートだー!デートっ!デートっ!」

少女は両手を伸ばして体をクルクルと回転させる。

「デートじゃないよ。今日は僕らの誕生日会でしょ?」

「わかってるわよーだ!オルト兄のバカー!もうっ!」

少女は頬をぷくっと膨らませ、プンスカとすねてしまった。

「分かった。分かったデートだデート。」

少年がなんとか宥めようとするも…

「ふんっ!もーいーもん!」

失敗に終わる。


「あ!着いたみたいだね」

少年は明後日の方向を見てご乱心な少女を呼びかける

「…!わぁ!着いた!」

ある場所に着いたと知ると、彼女は一転満面の笑みを少年に向ける。


「…お腹空いてきたけどあのご飯は食べれたものじゃないからな。がまんがまん!」

「あそこのご飯ってなんでまずいんだろうね?」

少年の呟きに少女はうんうんと同じ疑問を持った


それから彼らは誕生日会の屋敷に入り、式が始まるまでおもいおもいに過ごしていた。

「あと少しで五歳か〜…楽しみ!」

少女は自分の成長に何か想いをはせている…どうやら喜んでいるようだ。

「あっそうだ!おると兄のとこにいこーっと!」

軽いスキップを交えながら移動していた少女は少年と再会し、

「「ふあぁーふ」」

同時にあくびを鳴らす。少女は自分のはしたない行為に少し赤面した。

どうやら二人ともとても眠いらしく,少年が提案をした。

「僕は少し眠くなってしまったからそこの椅子で少し寝るね。」

二人とも限界だったらしく,椅子に座った途端すやすやと眠ってしまった。


ふわっ…と二人の意識は離れていき次第に別の何かが二人の身体を支配していった。




…さて…プロローグは終わり。どうか最後まで楽しんで看ていってね

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