第186話
トキノリ達は無事、ワープ空間を抜けエニュー帝国本土の補給拠点まで戻ってくることができた。
だが、補給拠点には何やら巨大な建造物が横付けされていた。
トキノリ達はひとまず誘導に従い補給拠点のドックに艦を入港させる。
「なんとかなりましたね」
「食料は本当にぎりぎりでしたけどね」
「2日、休暇にしますので十分に羽を伸ばしてください」
「通達しておきます。トキノリ様はどうしますか?」
「自分は食料の調達をしてきます」
「そうですか。では、私は先に休暇をいただきますね」
「はい」
トキノリは食料がなんとかならないかハルプンテの元を訪ねていた。
「トキノリ様。丁度良かった」
「何かありましたか?」
「隣の建造物についてお願いしたいことがありまして」
「そういえばあれって何なんですか?」
「食料の生産プラントです」
「食料の生産プラント?かなり高かったような気が・・・」
「その通りです。高価な物の為、確実に指定された宙域に運びたいのです」
「ここで運用するわけではないんですね」
「はい。これは皇帝陛下が占領地域の為に手配したものですから」
「なるほど・・・。これがあれば食料問題が一気に解決しますね」
「エニュー帝国本土から運び続けるのは現実的ではありませんからね」
「ハルプンテ殿。こちらからもお願いがありまして」
「何でしょうか?」
「食料に余裕はありませんか?余裕があれば売っていただきたい」
「多少なら融通できますがどれぐらい必要ですか?」
トキノリは必要な数をハルプンテに伝える。
「その数は流石に・・・」
「そこを何とかお願いしたい」
「少しお待ちください」
そう言ってハルプンテは関係各所との連絡を取りはじめる。
「トキノリ様。お待たせしました」
「それでどうでしたか?」
「軍用レーションで良ければ何とかなりそうです」
「それはありがたい」
「お値段は少々お高くなりますがよろしいですか?」
「無理を言っているのはこちらですから」
「では、交渉成立ということで」
「ありがとうございます。助かります」
「積み込みの方はこちらで手配しておきます」
「何から何まですみません」
「いえ。これが私の仕事ですから」
「では、私は失礼しますね」
トキノリはそう言ってハルプンテの元を辞した。
食料問題を解決したトキノリはそのまま休暇に入ることにした。
まずは腹ごしらえということで前回も利用したお店を目指す。
今回は何を食べようかと思いながら歩いているとお腹が「ぐぅ~」となる。
空腹は最高のスパイスというし今から食事が楽しみだった。
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