第164話
いよいよ作戦決行の時を迎えた。
トキノリは久しぶりに雪風に乗り込むと作戦区域に向かう。
やはり雪風の艦長席は落ち着く。
このまま自由を謳歌したいところだがそういうわけにもいかない。
「まもなく所定の位置につきます」
「了解。他の船の様子はどうですか?」
「他の船も所定の位置で待機しています」
トキノリもデータを確認するが今のところは問題ないようだ。
「そろそろですね」
「そうですね・・・」
この作戦には実に多くの人達が関わっている。
被害はない方がいいがそういうわけにはいかないだろう。
「囮の輸送船が出発します」
「宇宙海賊が現れたら手筈通りにお願いします」
「了解」
囮の輸送船は恐れることなく指定された航路を進んでいく。
宇宙海賊はまだ現れないが油断はできない。
想定していたラインより少し進んだところでレーダーに反応があった。
「レーダーに感あり」
「識別は?」
「登録されているデータにはありません」
データにないということは新造された船だろう。
「では、宇宙海賊と仮定して作戦をはじめてください」
「了解」
雪風は停止状態からいつでも輸送船を救助できるように出力をあげてフォローできる体制を作る。
他の船も同じように動きはじめていた。
そうしている間にも輸送船と正体不明の船の距離はどんどん近づいていく。
輸送船は正体不明の船を十分引きつけた後、離脱に入った。
正体不明の船は輸送船を追いかける。
トキノリはここで全方位通信で正体不明の船に通信を送る。
「こちらはフロイタル星系領主ハラヤマトキノリ伯爵である。ただちに停船されたし」
だが、正体不明の船は行動を止めなかった。
そのまま輸送船を追いかける者。
相手が悪いと逃げに入る者とわかれたがいずれにせよ停船する意思がないのは明らかだった。
「逃げる船はアナスタシア様に任せて追いかけてるいる船を攻撃します」
「了解。射程に入り次第攻撃を開始します」
輸送船は役目を果たしたと判断したのか特別に装備していた追加ブースターで加速する。
正体不明の船との距離が一気に開く。
雪風をはじめとして待ち構えていた船は輸送船と正体不明の船の間に入り込み輸送船の安全を確保する。
「射線よし。最大出力で主砲を発射します」
雪風の主砲にエネルギーがチャージされて発射される。
雪風の主砲は複数の正体不明の船を巻き込み戦果を挙げる。
遅れて他の船も主砲を発射し始めた。
距離が遠いので雪風ほどの効果は発揮しなかったがそれでも確実に被害を与えていく。
この様子なら苦戦することもなく討伐が完了するだろう。
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