第120話
トキノリ達はリーツの軌道ステーションより鉱石の処理が終わったと連絡を受け、再びデブリ地帯へとやってきていた。
「予定より遅れていますが事故がないように頑張っていきましょう」
雪風でおおざっぱにデブリを砕きマリーの操るマリーゴールドと雪風から射出されたドローンで細かく砕いていく。
雪風は自分の仕事を終えるとマリーがまとめておいてくれた鉱石を回収してリーツ星系の軌道ステーションに戻り回収してきた鉱物を降ろしてデブリ地帯へと戻る。
雪風はデブリ地帯と軌道ステーションの間でピストン輸送を繰り返す。
前回、止められた10回を超えても今回は別の区画を指定されてスムーズに鉱石を収めることが出来た。
どうやらこの指示はネスタルからの指示だったようだ。
「ふぅ。指定されたデブリは処理を終えましたね」
「そうですね。後は代金を頂いて少しゆっくりしたら移動しましょう」
作業は休憩を取りながら行っていたがそれでもストレスが溜まらないわけではない。
この先、何があるかわからないため休める時に休んでおく必要があった。
「サーシャさんはどうします?」
「私は少しすることがありますので・・・」
「そうですか・・・」
フォローも色々してくれているし仕事の段取りも決めてくれたりと活躍してくれたサーシャに少しでも恩返しをしたかったのだが、することがあるのなら仕方ない。
「トキノリ様。どうせならマリー様と遊びに行かれてはいかがですか?」
「マリーと?」
「はい。前回は思わぬ邪魔が入ったようですし」
サーシャが言っているのはリーツ伯爵家の傍流の馬鹿のことだろう。
「そうですね・・・。では、マリーを誘ってみます」
「そうしてあげてください」
トキノリはマリーに端末で連絡を取ってみる。
「マリーは休日だけどどうする?」
「そうですね・・・。軌道ステーションをぶらぶらする予定でした」
「なら、一緒に遊びに行かない?」
「一緒にですか?私は構いませんよ」
「じゃぁ、また後でね」
「はい。楽しみにしてますね」
マリーの承諾も得られたところでトキノリは着替えに向かった。
これはサーシャに言われたのだ。
貴族らしい恰好をすれば無用なトラブルを避けられると。
というわけで、買っておいたはいいものの着たことない服に袖を通してみる。
鏡の前で確認してみるが全然似合っていない。
自分が根っからの庶民であることを自覚させられる結果だった。
「まぁ・・・。嫌な気持ちにさせない為にも我慢するか・・・」
トキノリは時間を確認してマリーとの待ち合わせ場所に急いだ。
待ち合わせ場所では既にマリーが待っていた。
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