第18話

トキノリは軍用レーションを食べしっかりと睡眠を取る。

思っていた以上に疲れていたようでぐっすりだった。

アラームの音で目を覚ますと時刻を確認する。

「ふぁ・・・。よく寝たな」

ここまでしっかりと睡眠を取ったのは久しぶりだ。

「おはよう。よく睡眠は取れたかね?」

「はい。おかげで疲れが取れました」

「それは良かった。次の試験だが標的を用意した。指定した武器でそれを攻撃してほしい」

「わかりました」

まず、指定されたのは動いていない的だった。

各種、兵装で順番に攻撃していく。

この試験で消費した弾薬やミサイルは造船会社の方から補填されるので気にせずに使うことが出来た。

「ふむ。兵器の方は全て想定通りと言ったところか。次は動く的を頼む」

「はい」

動く的を相手に指定された兵装で攻撃する。

最初のうちは的は単純な動きをするものだけだったが、少しずつ動きが読めなくなってくる。

命中率も5割をきっていた。

「ふむふむ。やはりこうなるか・・・」

「不甲斐なくてすみません」

「いや。謝ることはないぞ。君は元々、輸送艦乗りだったんだ。これだけ命中させられるなら十分だろう。君が望むなら兵装の訓練もしてやってもいいがどうする?」

「お願いします」

「よし。任された」

そう言ってミュートンは嬉々として訓練メニューを組んでくれる。

トキノリはミュートンの指示のもと訓練を続けた。

その結果、最終的に複雑な動きをする的に8割は当てられるようになった。

「君は中々、才能がある。この短時間にこれだけ上達するとはな」

「ミュートンさんのおかげです」

「よし。一度、指定されたドックに入港してくれ。ここまでの使用でどれぐらい消耗したか調べるからな」

「わかりました」

トキノリは指定されたドックに雪風を入港させる。

ドックが閉鎖されると白髪の老人が入ってくる。

トキノリは挨拶する為に雪風を降りる。

「ミュートンさんですよね?」

「その通り。儂がミュートンじゃ。疲れただろう?部屋を用意させているから自宅と思って寛いでほしい」

「お気遣いありがとうございます」

「君のおかげで貴重なデータが取れたからな。これぐらいなんということはない」

「造船会社が所有している間に試験はしなかったんですか?」

「悪のりした結果、あまりにも高額な値段になったからの。傷でもつけたら大損害ということで役員共に止められた」

「なるほど・・・。確かにこの値段の船を傷つけたら大変ですもんね」

「船というのは動かしてなんぼなんじゃがの。まぁ、君が買ってくれたおかげで儂の研究も進むというのものだ」

「では、雪風をお願いします」

「万全の状態にしておくからの。安心してくれ」

トキノリは雪風をミュートンに任せて与えられた部屋にむかった。

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