第16話
ワープは問題なく終わりアンタレス星系の外れまで戻ってきた。
「よし。どこも異常はないな?」
システムを確認するがトラブルは全くない。
進路をアンタレス星系の軌道ステーションに向ける。
「帰ってきたな。無事に戻ってこれて一安心だな」
トキノリは管制とコンタクトを取って借りているドックに雪風を停泊させた。
これで仕事は終わりではない。
まずは、アンタレス星系の運送ギルドに連絡を取る。
「すまないが運んできた荷物を引き取ってもらいたい」
「ハラヤマさん。お帰りなさい。医療物資ですね?すぐに人を送ります」
運送ギルドの職員がすぐにやってきて荷を確認する。
「どこも問題ありませんね。今回はありがとうございました。依頼料は振り込み済みです」
「手間をかけさせて悪いな」
「いえ。これが仕事ですから。また、何かありましたらよろしくお願いします」
「了解だ」
運送ギルドの職員は医療物資を持ってドックから出て行った。
「さてと・・・。次は造船会社だな」
通信を送るとすぐに応答がある。
「ハラヤマ様。何かありましたか?」
「実戦のデータと他の船だが修理したデータがあるんだが・・・」
「なるほど。それでは指定したアドレスにデータを送っていただけますか?」
「わかった」
トキノリは指定されたアドレスにデータを送信する。
「データを受領しました。査定しますので少しお時間をいただきます」
そう言って一度、通信が切れる。
しばらく待っていると造船会社の方から通信が送られてきた。
「査定が終わりました。端末の方に今回の料金を振り込ませていただきました」
トキノリが端末を確認すると確かに料金が振り込まれていた。
「ありがとうございます」
「いえいえ。こちらこそ貴重なデータをありがとうございます」
今回、相手にした宇宙海賊は圧勝だったが今後も同じ結果になるとは限らない。
油断は禁物だ。
「ハラヤマ様。ご提案があるのですがよろしいでしょうか?」
「何でしょう?」
「雪風の戦闘データを少しでもほしいと技師が騒いでおりまして・・・。ご協力いただけないでしょうか?」
「戦闘データを?ですが、そう簡単に集まる物でもないでしょう」
「そこは当社の試験宙域がありますので指定した試験を受けていただければと」
「なるほど・・・。こちらとしてもどれぐらい戦えるのは指標が欲しいので結果を教えていただけるならいいですよ」
「それは勿論です。貴重なお時間を頂くわけですから謝礼の方も払わせていただきます」
そこいらの船より強いのは間違いないがどれぐらい戦えるのかを知るいい機会だ。
それに、謝礼も貰えるなら文句などない。
どんな試験かはわからないがトキノリはわくわくしていた。
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