ホラーな光景

綺麗な風景写真が撮りたい

第1話 汚屋敷の迷路の先には・・・

 私は地域貢献ボランティアの『高齢者見守り隊』の生き生き活動隊員として、休日に少しだけだけど活動しているんだよ。


 ボランティア活動で、定期的に地域に住むご高齢の方の様子を観に伺い、話し相手になったり、日常品などで入用なもののお買い物に同行して荷物持ちをしたり、照明器具の電球の交換をしたりといった、チョットしたお手伝いの活動をしているんだ。


 人生は一度だけだから、薬の管や検査機器の線に繋がれて辛い苦しい思いをしながら無理やり長生きするよりも、身の回りのことは自分で全て出来る状態で健康で長生きして、最後はピンピンコロリが理想なんだよ。


 そのな人生の一助になれは嬉しいなって思って、活動しているんだけどね。


 でもね、ご高齢の方のご自宅に訪ねて行くと本当に色々あるから、もしもや万が一のためにと、一応、応急手当指導員の資格は取得しているんだよ。


 簡単な普通救命講習くらいならば、定期的に消防署が講習会を開催しているから、気になったらその気になったら、是非とも受けてみると好いと思うよ。


 真面目に講師の話を聴いて実習をしさえすれば、全員資格が取れるからね。



 今日は大きなお屋敷に独りで住んでいるという、かなりのご高齢者を訪ねるんだ。


 スマホの地図を頼りにご自宅に到着すると、そこには立派な?汚屋敷があった。


 門から観える庭は、大量のゴミや不用品が溢れていて、まるで迷宮迷路のような状態だ。


 最近はこんな汚家、汚屋敷がちょくちょくあるってニュースになっているが、実物を目の当たりに見ると圧倒される。


 玄関の呼び鈴を鳴らすが、全く反応が無い。


 玄関は開いているから入って良いと聞いていたので、「高齢者見守り隊の生き生き隊員です。おじゃましま~す」玄関の扉を開けると、そこも足の踏み場も無いほどの中々の迷宮迷路状態。


 汚屋敷の奥の方から、何か音がするので、迷路かシケインのような状態の隙間を通って取り敢えず奥に行ってみる。


 この部屋に誰かいるみたいだね。


 迷路の先の物音のする部屋の扉を開けてみると、薄暗い部屋にビクッビクッって怪しく動く何かがいる。


 薄暗い部屋に入って、照明を点けると、ハアハアハアハアと凄く早い苦しそうな呼吸で、ビクッビクッって体が跳ねている、まるでホラー映画の一場面ようなな状態で、独りベッドに寝ているお年寄りがいましたよ。


 慌てて「大丈夫ですか」って声を掛けたら「ハアハア、苦しい、大丈夫じゃない」って反応があったので、急いで119番通報。


 到着した救急車に運ばれて、そのまま救急指定の大きな病院に緊急入院でしたね。


 後で聞いた話では、処方された薬を全く服用しておらず、肺に水が溜まっていて上手く呼吸も出来ず、水が溜まった肺が心臓を圧迫して心不全状態のかなり危ない状態だったそうな。


 今ではリハビリも開始していて、病院の廊下を歩行器を使ってですが、歩けるようにもなったのだとか・・・


 無事に退院できるとイイですね。


 ビクッビクッって体が跳ねる状態の姿もかなりホラーだったけど、この日に私が訪問していなければ、その後も誰も訪問しなければ、もっともっとホラーな腐敗した怪物状態になっていたところでした。


 一命を取り留めて何とか助かったのだから、このお年寄りは多分きっと運が良かったんでしょうね~ そう思うことにしましょう。


 でも今後は超々高齢化社会になる見込みなのだから、こんな一人暮らしのお年寄りがグッと増えるみたいなので、『高齢者見守り隊』の生き生き活動隊員としてのボランティア活動、益々忙しくなり大変そうだね。


 きっと若者たちには、全く有り難くない高齢化社会なんだろうね~


 知ってるかな~ 今90歳とかの高齢者が貰っている厚生年金って、これから厚生年金を貰おうとしている人や、今一生懸命に厚生年金を支払っている若人たちよりも多いんだよ。


 60歳から厚生年金を貰っているのにだよ、昭和36年4月2日以降に生まれた方は、65歳からしか厚生年金貰えないんだよ。


 60歳で定年になっても、厚生年金貰えないから、再雇用とかの今までより安い賃金で65歳まで無理して働くんだよ。


 ひどい老眼になっちゃった人なんて、手元が見えにくくって細かい作業をするのは、中々大変なんだからね。


 先日亡くなられた渡辺恒雄さんみたいに、98歳まで会議に出席したり社説の原稿に目を通して点検するなど現役で働ける方もいるけど、本当に稀だからね。


 90歳にもなれば、手が震えちゃって字も真面に書けないってのが、普通にあるんだからね。


 今でも後期高齢者とかの75歳以上が2千万人くらいいるんだけど、後5年もすると2千3百万人くらいに増えるのに、それを支える働く世代はどんどん減っていくんだから大変なんだよ。


 何歳まで働かなければならないのかって考えると、『生涯現役』って言葉も昔はかっこいいななんて思っていたけど、今はなんだか虚しい言葉に思えてしまうね。


 日本って、どうなっちゃうんだろうね~ 健全な日常生活の維持出来るのかな?


 それこそ、若人たちが60歳を迎えるころには、石川啄木の「働けど働けど猶わが生活(暮らし)楽にならざりぢっと手を見る」ならぬ、「働けど働けど猶わが年金余り増えならざりぢっと手を見る」の世界になっちゃいそうだよ。



 気が向いたら、書き加えるアイデアが出てきたら、もう少し加筆修正しようかなって思っています。

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