第2話 白い悪魔
この世界にはアウェルの位付けがされていた。
1番下から10級、9級、8級、7級、6級、5級、4級、3級、2級、1級、0級、特級と。
そんな世界で黒い角折れ、廣瀬詩矢は0級であった。
瑠違るいはあの日からずっと詩矢しやについてきていた。
まるで犬のようだ。
「詩矢〜!お昼ご飯食べよ〜!」
「うん、いいよ」
段々と詩矢も瑠違に心を許してきている。
だが周りの目はあまりよくない。
先日のこと__
「ねぇ、なんで出来損ないが瑠違君といるわけ?意味わかんないんだけど。」
詩矢はクラスの女子達に呼び出され瑠違が一緒にいることについて問い詰められていた。
「意味わかんないなんで私じゃないの?なんであんたなんだよ!」
「ねぇ、僕の友達に何してるの?」
いきなり瑠違が現れた。
「な、なんで、瑠違くん、これは違うの、その…っ!」
そう言いながら泣きそうな顔で女子達は帰って行った
「大丈夫?お姫様?」
「…なんで守ったの…?」
すると瑠違は大笑いした。
「なんでって、僕ら友達だろ!あ、もしかして恋人かも!」
「うるさい。」
「釣れないなぁ〜」
そういい詩矢は立ち上がり下駄箱に向かって学校から出て行った。
学校から出ると詩矢はぽつりといった。
「案外悪いやつじゃないのね…」
〜四日後〜
詩矢はアウェルの団体ヴァイスの仕事に来ていた。ヴァイスでは顔がばれてはいけないため任務にあたる場合は仮面をつけていくことになっている。
「最近神楽市でAKの目撃が多発されており更にアウェルが5人やられた。ので、今回はそのAK達を殺して欲しいらしい。この任務には角折れ、お前に言ってもらう」
「はい、わかりました」
「なぁなぁ角折れ!お前ってなんでそんなに強いんだ?」
こいつは黒薔薇。本名は野薔薇兎黒(のばらとぐろ)。
詩矢とは昔から仲が良く、いつも一緒に戦ってきた戦友だ。
「別に強くなんかないよ、そんなこと言ったら黒薔薇だって強いじゃん」
「お前さ、まだ周りには誰もいないんだから名前で呼んでくれよ〜」
「わかったよ、兎黒」
「へへ!」
「さぁ、行くよ」
詩矢達は現場につき周りを眺めていた。
「ここか…ただの街って感じだな。なんかのどかでいいな!俺たちもいつかこんなところでゆっくり暮らせたら…」
「そんな妄想しちゃダメだよ、黒薔薇。私たちアウェルにそんな未来は一生来ない。ずーっとずっと逃げるしかないんだよ。じゃなきゃ私たちは生きていけない。人を殺さなきゃいけない。だから私たちは殺されなきゃならない、そういう世界のルールなんだよ」
「そうだな…ごめん…」
「ううん…あ、あれじゃない?」
するとそこにはAKの制服を着た男達が4人いた。
「四人か…数では負けてるけど俺らならどうにかなるだろっ!」
そういい兎黒は四人に襲いかかった。
兎黒の武器は吹き矢。毒が入っており当たると即死する猛毒がついてある。
ちなみにアウェルには効かない。
「あーなんかこれ俺一人でもいけるわ!」
すると前方からナイフが飛んできた。
「俺一人で行けるって…?面白い冗談だな」
するとその男は被っていたフードを取り顔を見せた。
その顔を見るに詩矢は驚いた。
その人物は瑠違であったのだ。
「ほーら、もう一人、おいで」
そうして詩矢は瑠違のところまで行きフードを外し角を見せた。
「おっと…やべえ相手にぶつかっちまったみてえだな…0級、角折れか…」
すると詩矢は立ち上がり戦闘することにした。
詩矢の武器は傘であり美しく舞うように人を殺してきた。
「おぉ…傘ね…でも俺は鎌なんだわ」
瑠違の武器は鎌であり先端が非常に尖っていて白と水色の綺麗な鎌であった。
「もしかしてお前…白い悪魔か…?」
「ご名答!俺の名前は藤村瑠違。AKの白い悪魔だ。」
白い悪魔は少し前から有名でありAKの中でも若いのに強く話題になっていた。
だかしかし白い悪魔が瑠違だとは誰も知らなかった。
それは詩矢も同じく。
「じゃぁ、黒い角折れ君?ちゃん?まぁいいけど別れの約束をしよう。さようならってね」
「…」
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