シーヤアウェル

月山旭

第1話 角折れ

_さよならのおまじないだ。シーヤアウェル。_










「夢か…」

朝になり今日も行く意味のない学校に行く。

憂鬱な日の始まりだ。


この世界には二つの種族がいた。

一つは人間。もう一つはアウェルだ。

アウェルは人間と大体は同じ見た目をしているが特徴的な見た目がいくつかあり頬に模様が現れ角がある殺人種族だ。

ちなみに人を殺す原因は謎だ。

そしてアウェルは特徴を隠し人に紛れて生きているため人間はいつ殺されるかわからない状況にあった。だがしかしアウェルを殺すための機関AK(アウェル特別駆除隊)が設立されアウェル関係死者は減った。

だがしかしアウェルの力は膨大で今だに死者は多いまま。

死者の家族などがAKに所属しAKは段々大きくなっていった。


そしてそんな世界で生きる廣瀬詩矢(ひろせしや)。

親からは虐待され見放され学校ではいじめられ絶望的な人生を送っていた。

「はぁ、こんな世界終わっちゃえばいいのに。」

そう口ずさむと詩矢は学校へと向かった。


「あっれれ〜!?出来損ないの詩矢ちゃんじゃーん!おっはよー!」

そう言われて水をかぶせられる。周りに助けてくれる人なんていない。

「…おはよう。」

そう言って席に着こうとすると誰かが詩矢の席に誰かが座っていた。

学校で有名な遊び人の藤村瑠違(ふじむらるい)だ。

「ねぇ、ごめん、そこ私の席だからどいて欲しい。」

そういうと瑠違は詩矢をじーっとみ始めた。

「シ…ル…」

「は?なんて言ったの?聞こえないんだけど?」

「あ、ごめんごめん!詩矢ちゃんだよね!俺瑠違!よろしくね!」

「え、あ、よ、よろしく…」


その日からいきなり瑠違は詩矢についてくるようになった。

「ねぇ、なんでついてくるの?」

「うーん…可愛いから!!」

「ふざけないでよ」

「ごめんって〜!」

詩矢と瑠違は住んでいる世界が違うのになんで絡んでくるか詩矢にはわからなかった。


「詩矢!じゃぁね!また明日!」

「ばいばい」


「はぁやっとついた」

詩矢は家につき髪をほどき風呂に入った。

詩矢の家には誰もいない。両親は別の家で暮らしているからだ。

なぜ親と別々に暮らしているかって?

親が子供を欲しくなかったから?ううん、ちがう。

詩矢が出来損ないだから?ううん、ちがう。

詩矢が自分の子ではないから?ううん、ちがう。

正解は







「私が化け物…か…」





廣瀬詩矢。彼女には秘密があった。自分はアウェルだということを。

詩矢は1歳の誕生日にいきなり頬に模様ができた。

それまでは親たちは詩矢に愛情を贈って育てていたが母は自分が化け物を産んだことの恐怖に病み父は自分の娘が化け物なことに気持ち悪さを感じた。

そんな自分に嫌気がさし詩矢は自分の角を折った。

だが人を殺さなければ生きていけない。

殺すしかない。

そんな世界で詩矢はこう呼ばれた。

角折れ__

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