リル帝国改革会議資料〜委員会報告書〜

ずんどこたろう

帝都スエンタ

1.現状

帝都では現在、帝国各地から出稼ぎの農民や仕事を求めた職人など多くの民が移住しており人口増加が続いている。しかし、帝都の三重の壁内には可住地は残されておらず新たに移住してくる者は壁外に簡易的な家を作っている。この形成されたスラムは衛生環境が悪くここで発生した病気が王都内で蔓延してしまうことが懸念される。また、多くの人が移住してきたことにより仕事不足が深刻化しており、帝都の治安が悪化している。王都内の正規の牢獄にはすでに満杯になっており簡易的な牢獄を郊外の練兵場の近くに設置することで対応している。


2.対応案

2-1.新都市の建築

第一に居住地の確保が必要となるが帝都の周りにはすでに工房や畑が広がっており大規模な住宅地を作る土地を確保するのが難しいため近郊に新都市を作ることが求められる。候補地になるのは水の確保がしやすいことを考え、帝都に流れるワルカル川と他都市へとつながる街道が接近する場所や、台地の麓などが考えられる。前者は洪水対策に堤防を作る必要があるが魔導船による帝都との大規模な物の輸送が可能となる。後者は平地側に重要な建築物を建てることで災害時の被害を抑えリスクを減らすことができるが街道の整備をしなければ魔導車を走らせることが出来ず帝都との連絡が難しくなってしまうため新都市建築に時間がかかってしまう。両者の比較検討及び具体的な予定地を周囲の村の長を呼び会議で決定していただきたい。

2-2.帝都の治安向上

多くの人が集まる帝都では日夜多くの犯罪が起きてしまっている。その内には衛兵不足により未然に防げないことや被害が明るみになることが遅れてしまうことがある。そのため衛兵を増やすことと人通りの多いところに衛兵の待機所をつくり監視体制を強化することが必要である。また、衛兵の質を上げるために帝国騎士団との合同訓練を用いることも検討する価値がある。

2-3流刑植民地の導入

我が帝都の東側には多くの無人島がありその中でも最も大きいサン・ソコロ島には多くの資源が確認されている。この島を中心とした一帯に魔法犯罪など大罪を起こした犯罪者を対象に死刑に次ぐ刑罰として流刑を導入し、この地を植民していくことで帝都近郊に作った簡易的な牢獄を壊すことができ、資源の開発も進めることができる。但し魔法の触媒となる鉱物や農作物の生産を行う際には厳重な監視体制をすることが必要である。


3.帝国改革会議提出議題

①新都心の建設地と予算の決定

②衛兵の募集数と訓練内容の検討

③流刑導入の検討

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