第九章:装備のテスト

エド達新人ダイバーは、新たなブリーフィングのために集まった。バーツ・ルグドストーンがホワイトボードの前に立ち、彼の目は真剣そのものだった。


「諸君、集まってくれてありがとう。今日は新しい潜行服のテストについて話す。」バーツは、装備の重要性を強調するように言った。「エドとリーリア、君たちがこのテストを担当することになった。サポートオペレーターはガム・リグルスが担当してくれるそうだ。新しいガスフィルターの性能を確認するため、ポイントにダイブしてほしい。」


エドは緊張しながらも、期待に胸を膨らませた。「わかりました。どのような環境でテストを行う予定ですか?」


「今回は、特にガスの濃度が高いエリアを選んだ。そこで、ガスフィルターがどれだけ効果的に機能するかを確認する。」バーツは続けた。「ただし、注意が必要だ。ガスが物に固着する可能性がある。その時は、酸素ボンベへの切り替えを忘れないでくれ。」


リーリアは不安そうに眉をひそめた。「ガスが固着するって、どういうことですか?」


「ガスがフィルターに固着してしまうと、フィルターがガスを無力化できなくなる可能性がある。そうなると、酸素供給が途絶える危険があるんだ。」バーツは真剣な表情で説明した。


テスト当日、エドとリーリアは新しい潜行服を身にまとい、指定されたエリアに向かった。周囲は静まり返り、緊張感が漂っていた。そんな緊張感を感じ取ったのか、ガムはこう言った。「フィルターの効果がわかるように深呼吸しなきゃな。」三人のチームは暖かい雰囲気に包まれながら、ガスフィルターの効果を確認するため、慎重に行動を開始した。


しかし、数分後、エドは異変に気づいた。ガスの濃度が急激に上昇し、呼吸が苦しくなってきた。「リーリア、何かおかしい!ガスが濃くなってきている!」


リーリアも同様に感じていた。「フィルターが効いていないのかも!急いで酸素ボンベに切り替えよう!」


ガムが感心するようにつぶやいた。「ふむ、いい判断だ。」


二人は迅速に酸素ボンベへ切り替え、呼吸を確保した。安堵の息をつきながら、エドはリーリアにつぶやいた。「これがガスフィルターの欠点か…」


テストを終えた二人は、急いで研究室に戻り、バーツに結果を報告した。エドは息を整えながら言った。「ルグドストーンさん、テストの結果が出ました。ガスフィルターは、ガスがフィルターにに固着することで効果が薄れてしまいました。その結果、酸素供給が途絶える危険があることがわかりました。」


バーツは真剣な表情で頷いた。「そうか…それは重要な情報だ。フィルターの改良が必要だな。君たちの迅速な対応がなければ、もっと危険な状況になっていたかもしれない。」


リーリアは少し安心したように微笑んだ。「私たちの判断が役に立ったなら良かったです。」


「次のステップは、この問題を解決するための新しいアプローチを考えることだ。」バーツは決意を込めて言った。「諸君らの経験をもとに、より安全な装備を作り上げよう。」


エドとリーリアは、次なる挑戦に向けて新たな決意を固めた。彼らの未来は、まだまだ多くの試練が待ち受けているが、仲間と共に乗り越えていくことを信じていた。

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