蒼い光の先へ
飾磨環
第1話
私は女優になりたかった。
京都の故郷を後に、上京してきて養成所に入った。初めて来る東京。京都とは空気が違う。私、
養成所で、のちに美空の所属する『Twinkle Drops』の
『どう? そっちは? もう慣れた?』
「お姉ちゃん、まだこっち来て一ヶ月も経ってないんだよ? 慣れるわけないよ」
『そう? それにしては元気そうじゃん?』
「これは、お姉ちゃんと電話してるから、元気を振る舞ってるの」
『そうですか。本当は元気じゃないって言いたそうだね……』
「そういうつもりでもないけど、ほら、一人で寂しいじゃん? お姉ちゃんの声が聞きたくなる気持ちもわかってよ」
『友達まだできてないの? 美空は本当に内気だねぇ』
「仕方ないでしょ! 性格なんだもん。そう簡単に治らないよ」
『大丈夫。美空は私の妹だもん。きっと素敵な友達ができるはずよ。そうクヨクヨしないで、元気出して!』
「ありがとうお姉ちゃん。やっぱりお姉ちゃんと電話して良かった。また電話するね」
いつでも電話してきなさいと言って、お姉ちゃんは電話を切ってしまった。このまま電話を繋いでいても、美空が電話をなかなか切らないことを知っているからだ。まだ話したいことあったのにと思ったが、元気になったのも確かだ。また、明日から頑張ろう。そう思いながら眠りについた。
蒼い光の先へ 飾磨環 @tamaki_shikama
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。蒼い光の先への最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます