第29話

私はまたパパの隣に座った。




ママは那由多のママとちょっと挨拶して、受話器を置いた。






切れちゃった。






再び元気のなくなった私に、パパは今度はなんて言おうか考えてたみたい。


でも、その前にママが言った。




「また来週、ね」




私はぽつりと繰り返した。




「らいしゅう?」


「そっ!」


「また?」


「うん」




ママはニコニコ笑って、私に目線を合わせる。




「また、来週の日曜日に電話しようね」


「ほんとう!?」


「本当」


「やったー!!」




私はソファの上をピョンピョン跳び跳ねて喜んだ。




そのソファの隅でママがパパに、あなたの負けねって言ったのは聞こえなかった。




またパパがガックリしてたのにももちろん気付かずに、私は奇声を上げて騒いでた。

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