(18)

「マジっすか、これ?」

「本物なら……いよいよ、年貢の収め時だな、あたしらも……」

 レンジャー隊の青・黄のハイブリッド型(なお、先端を斬り落された大型金属腕は既に除装)と緑は……サンシャイン&マリンのマネージャーさんが俺達と話してたのを見て、関係者だと感付いたらしく、職務質問。

 マネージャーさんは、さっきの赤いコートの女から渡された名刺をレンジャー隊に見せる羽目になった。

 所が、その時……更にサイレンの音。それも、パトカーの……。

 やって来たのは……警察署の駐車場とかで良く見るタイプの青っぽいマイクロバス。

 そこから、福岡県警のマークが付いたボディ・アーマーを着装した警官が次々と下りて来て……。

「おい、何で、あんたらが居るんだよッ⁉」

「こっちの管轄だて〜のッ‼」

「いや、タレコミだと、単なる暴力……おい、何だ、この子供達は……?」

 県警の警官で一番偉そうな人は……金縛りになってる十数人の子供を見付けて、流石に質問。

 しかも、その子供は手に武器を持ってたり、周囲に武器が落ちてたりなので……余計に異様な光景だ。

「何物か……多分、『魔法使い』系の術で意識を失なってる。今、ウチの『魔法使い』系の特務要員ゾンダー・コマンドを呼んだ。多分、このガキどもは、そっちの管轄だろうけど……念の為、医者を呼んでを調べさせろ」

「お……おい……どこの……?」

「で、多分、あれはウチのカイシャの管轄だ」

 そう言って指差す先には……内部で謎の人体爆発が起きた高級車。

「おい、例の変なデモ隊が撮影してた動画の隅っこに映ってたけど……不鮮明で、ヤツかどうかの判別は難しいな。ただ、服装は去年の3月に久留米に現われた時のヤツに似てる」

 その時、レンジャー隊の隊長レッドと緑が1人づつ……デモの現場の方からやって来て、そう告げる。

「久留米って言ったか? おい、まさか……」

「その通りだ……。つい最近、こっちに転勤になった『呪われた小隊』だよ。今後、よろしくな」

「あ……あの……」

 関わるなと言われてたのに……余りに無茶な状況で……訊かずにはいられない。

「まさか、あの名刺が、どこの誰のモノか知りたいの? じゃ、教えてあげる。……それ以上の事は言えない」

 サンシャイン&マリンのマネージャーは……ゲンナリした口調と表情で、そう答えた。

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