(8)
か……風邪ひくかと思った。
半壊したドローンをコートで包んで隠して、とりあえず、家まで。
親に見付からないように、外に置いて、更に夜中に外に取りに行く。
ああ、マズい……。
宿題の自分の分を仕上げて……いや、正確には自分と中島の分を仕上げて……。
『お前、何、やってんだ。もう日付けが変るぞ。まだか?』
わかった。
今送るから……。
そして……。
ただいま、午前0時半を過ぎました。
でも、俺の戦いは、これからだ。
半壊したドローンから、何とかメモリカードを取り出し……助かった、姉貴のお下がりのノートPCに付いてきたカードリーダー付きUSBハブで読めるタイプのヤツだった。
PCの方はメモリカードを認識してくれた……。メモリカードは壊れてもなければ、暗号化もされてないよ〜だ。
動画ファイルがいくつか……今日の……正確には、もう昨日の……日付のヤツを開く……。
ざっと眺める。
どうやら……俺と土屋ともう1人がカラオケ屋に入った時点から監視されてた。
俺達が出て来るまで飛ばす。
飛す。
飛し過ぎた。戻す。
そして……あの男みたいな女が……クソ。マジか?
これ、マジで「プロの仕業」だろ。
ドローンは、あいつを撮影してんのに……顔が映ってない。
手掛かり無しか……そう思って、ふと……メモリカードに入ってた動画ファイルの一覧を見る。
あれ?
今日(正確には昨日)のヤツ以外……日付が土日か休みの日だ。
しかも、昼間ばっかり。
とりあえず、1つ開いてみると……。
おい……。
音はローターの音に紛れて酷い事になってるが……聞き覚えが有る曲……。
たしか、動画サイトなんかで無料で使ってOKな曲だった筈。
そして……親の怒鳴り声より良く聴いた事が有る曲だ……。
そこには、サンシャイン&マリンのショーが映って……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます