テレポイテーション

エピローグ

　うるさい。

　うるさい、うるさい、うるさい、うるさい。

　雑音と共に私の耳には常に声が聞こえる。前の人間は口を開いていない。

　これは心の中、誰にも言えない言葉の掃き溜め。知りたくなんかない。なのに、言葉は私の領域に踏み込んで、流れ込んでくる。

　うるさい、知らない、興味ない。

　私は、その言葉の通りにする。笑って、嫌なこと、知らないこと、興味のないこと、全部前の人の心に合わせる。

　家族も、友達も、クラスメートも、先輩も、後輩も

　好きな人も

　黙るのもやだ。話していれば、心の声は気にならないから。それが本心じゃないとしても。

　だから君を見つけた時

　私はあなたの前だけなら