六話 昔話
昔この地域にとある双子がいたそうです。この二人はとても仲が良くて親や町の人々からも愛されていました。(分かりにくいのでAさん、Bさんと表記します。)常に二人一組で行動していた彼女らでしたが、時間が経つに連れて人との出会いを広げた結果、二人が次第に一緒にいる時間が減っていくのは必然でした。
ある日、Aさんが行方不明になりました。AさんはBさんが早く見つかるようにと毎日神社に行ってお参りを繰り返していたそうですが、何日経っても手掛かり一つ掴めなかったといいます。
もう一度声を聴きたい。その僅かな希望を夢見てAさんは糸電話を作り、一日も欠かさず語り続け、耳を当て続け、何年も何年も待ち続け、そして行方不明から三十年後、ようやく二人は再会しました。
でも、待ち続けたAさんは惜しいことにその一日前に病気によって亡くなってしまい、双子が会話をすることはありませんでした。火葬する直前、双子のもう一人は自分の大切にしていた赤色の色鉛筆を棺桶に入れ、火葬されたその灰は海にまかれました。
Bさんはそれから海を見るようになり、海辺に映る自分をAさんと重ねて毎日何時間も話し続けたといいます。そんなとき悲しみに暮れていたBさんに奇跡が起きました。
海辺に落ちていた貝殻からAさんの声が聞こえてきたのです。そしてAさんの声につられてBさんは海の底に沈んでいきました。
「【お祈り】がやっと届いた」――――――
この話があるためこの地域では青色の物は不吉と言われています。
※これは私の妄想です。
これで全ての話は終わります。
さて、薄々感じているのではないのでしょうか? 物語に何かしら繋がりがあるかもしれないと。それは今までの妄想達が知っているはずです。
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