2,ヒーロー側の事情

ななし野和歌

プロローグ ~ヒロイン処刑前  蓮華、17歳。七夕の夜~


「ありがとう。あなたのことが好きでした。ずっとずっと好きでした」



静かに頭上から黒いとばりが降りてゆく。



琴野蓮華17歳。


此処に死罪が確定し、最期の時を迎える。

処刑方法は凄惨な「き」。

肉体から魂を無理やり引き剥がし、死後の国、幽世カクリヨへ囚われる。

肉体は川を流され溺死とされる。


最後に蓮華は想いを告げた。

好きだった人に。



死刑回避、情状酌量のためには主人公からの告白が必要。

「僕もキミが好きだ」という。

でも得られなかった。



だってこのヒロイン、、、。



他に言い残すことは無い。

ただ蓮華の頬を冷たい涙が伝い落ちる。



☆-----☆-----☆-----☆-----


「ヒロイン、蓮華のステータス」

1,命の残り時間    :10秒

2,主人公へ向けた想い :無限大

3,希望        :ゼロ

3,絶望感       :無限大


「ヒーローのステータス」

1,覚醒後の経過時間  :19時間

2,ヒロインへ向けた想い:無限大

3,切り札発動までの時間:10秒


☆-----☆-----☆-----☆-----☆



     「1,ヒロイン失格」 から続く物語。

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