『どくさいしゃの憂鬱』

やましん(テンパー)

『どくさいしゃの憂鬱』


 タイガー・プー三世は、巧みな戦略と、財力、むちゃくちゃ残酷なしうちと、裏を返したような気前のよさで、東地球を支配していた。


 首都トウ・キオの、広大な官邸の広大な部屋に陣取っていて、周囲はロボット兵士が固めている。


 何重にもセキュリティが掛かり、滅多なことでは執務室には入れない。


 食事は、執務室につながる厨房で、ロボット・シェフが調理し、食材はロボット調達員が、最初から最後まで管理しているし、審査ロボット10人と、副官で毒味をしている。


 副官シー・ポック大佐は、唯一、執務室に入れるが、常にロボットを同行させている。


 謁見も、会議も、指示も、必ず、実体映像で行い、実物が会うことはない。また、実際に誰とも会わない。奥さんはいない。寿命延伸システムで、不死化しているから、子孫はいらないのだ。


 完璧なセキリュティである。



 やがて、ある日の事、タイガー・プー三世は、つぶやいた。



 『ふっ。完璧な牢獄だね。‘’温泉の文豪‘’ みたいだな。』


 

 人類が、まだ生存していることは、分かってはいたが、こうなったら、いまさら、外には出られないのである。




         🥫(^人^)


















       


 


 

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『どくさいしゃの憂鬱』 やましん(テンパー) @yamashin-2

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