第2話 夢



 空は青かった。どこまでも続く青は、少しうんざりするような気持ちを僕に抱かせた。


 現代魔法科に入学した僕は、留年すれすれのラインを歩いていた。定期試験では、しっかりと勉強したはずの内容が抜けていく。散々な結果に勉強不足を感じる、と同時に才能の無さを抱いた。


 あと一つ赤点を取ると退学処分になる。そんなところまで追い詰められていた。学科も実技も落第寸前。救いの道は無かった。


 学院の裏で出回っている「合格ノート」。僕は少し気になり一冊購入することにした。

 しかし、買うだけ金の無駄だった。乏しい内容に、買ったことに後悔した僕は改めて自学に力を入れる。けれど勉強はいっこうに進まなかった。


 回らない頭で夜遅くまでの勉強。そんな毎日。来る日も来る日も同じことの繰り返し。



「生きる意味はあるのか」



 自問しても答えは見つからなかった。答えなど無いのかもしれない。

 僕はただ教科書の記述を暗記していた。


 結局、学年末試験で落第の判定を受け退学処分。僕は実家からも見放され、放浪者として安アパートに引っ越すことになった。


 月明かりの夜に眠る我が身から神経が千切れる音がした………………。



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