ピッキング
つばめいろ
開かない心
君の鍵のかかった心。二本の言葉の針金で、無理矢理開けようとしている。なかなか開きそうにない。でも、誰にも見られずに開けられるだろうから、ゆっくり作業をする。君が自分の鍵で開けてくれればいいけど、君は開けてくれない。私はとてもじれったく感じる。
ある時、とうとう我慢ができなくなった。鍵が複雑すぎるのだ。だからもう、壊してしまうことにした。強い言葉を何度も、何度も心にぶつけて鍵を壊す。君は泣いている。でも、そんなこと今更関係ない。君が早く開けないのが悪いんだ。
パキッ。
鍵が壊れた。ようやく心が開いたんだ。心を開けた瞬間、私に向けてへの悪口がたくさん出てきた。それでようやく気づく。ああ、君はこんなことを思ってたんだ。自分の中の何かが崩れていく音が聞こえた。気づいたときには泣いていた。私は耐えられず、逃げ出した。
この哀しい感情、どんな感情も絶対に、外に出さないように心に固く鍵をかける。他の人にどんなに優しく、接されたとしても、絶対にこの鍵を開けないことにしよう。いつかの君のように。
ピッキング つばめいろ @shitizi-ensei
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