第15話
そして、新しく専務へと就任した、
川邊篤(かわべあつし)の担当秘書になり、二週間が過ぎた。
突然のその内示に、最初は屈辱や怒りしかなかったが、
それが私にとって、追い風となってくれるとは、思いもしなかった。
あの日生まれた、滝沢斗希への、復讐心。
「へぇ、その会社に対して、著作権侵害で訴えようって事?」
この会社に居れば、またこの男と顔を合わせる事はあるかもしれないと思っていたけど。
こんなにも早く、その機会が訪れるとは。
今、私の見える場所に、滝沢斗希が居る。
滝沢斗希は、弁護士として、
川邊専務へと会いに来ていた。
だけど、私は知っている。
滝沢斗希と、この新しい専務である川邊篤が、幼い頃からの友人で知己の仲だという事を。
あの日差し出された手切れ金は、百万あり。
そのお金で興信所に依頼人して、
滝沢斗希の事を、調べて貰った。
その報告書を渡されたのは、つい先日。
それを見て、滝沢斗希とこの川邊篤との関係を知り、報告書を持つその手が震えた。
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