第13話

その後の事は、殆ど覚えていない。



憎悪に取り付かれたように、目の前の滝沢斗希に憎しみを向けていた。



許せない、許せない。



何度も唱えるように、思う。



目の前のこの男が。



何故だか、私を遊んで捨てた眞山社長ではなく、

私の憎しみがこの滝沢斗希に向く。



夢を見ていた私を、無理矢理叩き起こしたのは、この男。



いつの間にか話し合いは終わり、

滝沢斗希の姿はなかった。



目の前に、手切れ金の入った茶封筒と、彼の名刺を残して…。

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