第460話

「辞めろよ。

もうこれ以上お前を

巻き込みたくない…」



涼はゆっくりと、


私の首から

バタフライナイフを外した





「涼?」



私の体を抑えていた

力が無くなり、


私が振り返った瞬間だった




涼はフェンスを乗り越え、

そのまま海に身を投げた





「涼――…」



私は直ぐに、

そのフェンスの下を

覗き込んだ



海面と此処迄の距離は高く、

その高さに

一瞬足がすくんだ



波間に涼の姿を捜すが、


波はとても荒れていて

涼の姿は見えない

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