第405話

夕べの涼からの電話





突然鳴り出した

携帯電話を手に取り、


私は出るかどうか迷った



もしかしたらこの時の私は、

涼に関わるのが、

怖かったのかもしれない



だけど、ディスプレイに

写る涼の名前を見ながら、

涙が浮かんできた



朝、刑事達が来た後で、


彼が今追われているんだと思うと、


とても悲しかった



今涼は一人で居るんだ…





「…涼…」



電話に出たのはいいが、

今にも消えてしまいそうなくらい、


小さな声しか出なかった





『咲、ごめんな…。

俺、田中を殺したんだ』



いきなりの涼のその言葉に、

私は黙って頷くのが

精一杯だった



涼の口から、

聞きたく無かった…

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